米政府、追加の対ロ制裁発表 トランプ氏就任控え

米国のバイデン政権は15日、ロシアを標的とする数百件の制裁を科した。トランプ次期政権の発足を控え、ロシアに圧力をかけ、過去の制裁の撤回を難しくする狙いがある。写真は「制裁」の文字と米露の国旗色の前に見えるポンプジャッキの模型で2022年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ワシントン 15日 ロイター] - 米国のバイデン政権は15日、ロシアを標的とする数百件の制裁を科した。トランプ次期政権の発足を控え、ロシアに圧力をかけ、過去の制裁の撤回を難しくする狙いがある。

国務省と財務省が250以上の組織などに制裁を科した。対象にはロシアの軍事産業基盤のほか、中国を拠点とする団体なども含まれている。制裁逃れを封じることが目的。

財務省はすでに制裁対象となっている約100の組織に新たな制裁を科した。将来的に制裁を解除する手続きが複雑になる可能性がある。

在ワシントンのロシア大使館のコメントは取れていない。

在ワシントン中国大使館の報道官は「中国は違法な一方的制裁や管轄権の域外適用に断固反対する」と述べた。

米財務省は、すでに米国の制裁下にあるロシアの銀行やロシアのエネルギー部門で操業する企業など約100のロシアの重要組織に制裁を科すと発表。米国が関わらない取引を制裁する「二次制裁」のリスクが高まるとしている。

財務省高官によると、制裁の撤回には議会への通知が必要になる。

ヒューズ・ハバード&リード法律事務所のパートナー、ジェレミー・パナー氏は、今回の措置は「トランプ対策」であり、議会の承認なしに追加制裁を取り消すことはできないと述べた。

米国務省は、ロシアが占拠するウクライナ南部ザポロジエ原子力発電所にも制裁を科した。同原発は運転停止中だが、冷却作業のため外部電源を必要としている。

ロシアの複数の通信社によると、同原発の広報担当は業務への影響はないと述べた。

バイデン政権は今月10日にも、ロシアの石油・天然ガス収入を標的とする大規模な制裁を科している。 もっと見る

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Daphne Psaledakis is a foreign policy correspondent based in Washington, D.C., where she covers U.S. sanctions, Africa and the State Department. She has covered the rollout of U.S. sanctions on Russia after Moscow’s invasion of Ukraine, Washington’s efforts to enforce its sanctions and the U.S. response to the conflict in Ethiopia, among other issues. She previously covered European Union politics and energy and climate policy for Reuters in Brussels as part of an Overseas Press Club Foundation fellowship in 2019. Daphne holds a Bachelor of Journalism in Print and Digital News and a Bachelor of Arts in International Studies.

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