中国は30兆円超の追加刺激策必要、米関税への対応で-人民銀顧問ら

Bloomberg News

  • 持続的なデフレ傾向に加え、4月以降「新たな混乱」に直面と指摘
  • 輸出低迷リスクに対応し中国が景気下支え策を講じるとの見方は多い

中国は消費を喚起し、為替相場の柔軟性を維持するため最大1兆5000億元(約30兆7000億円)規模の新たな景気刺激策を講じ、米国の関税が景気に及ぼす影響に対処すべきだ。中国人民銀行(中央銀行)顧問らがこう提言している。

  人民銀の黄益平貨幣政策委員ら3人は11日のリポートで、中国経済は持続的なデフレ傾向に加え、4月以降「新たな混乱」に直面していると指摘。

  「これら進行中の課題に対処するには、中国は安定した成長を維持するため、より強力な景気循環への対応策を採用するとともに、構造改革を積極的に推し進める必要がある」と論じた。

  リポートは、20-30%の米関税による経済への打撃を和らげるため、今後1年で家計の消費押し上げに向け1兆-1兆5000億元規模の追加措置を検討すべきだとしている。

  中国政府は今年、超長期特別国債発行で借り入れた3000億元を使い消費支出を促す補助金に充てる計画だが、これを大きく上回る規模となる。

  トランプ米大統領の関税措置や中国による第三国を経由した輸出に対する米国の監視強化で輸出が低迷するリスクを踏まえ、中国が今後数カ月でさらなる景気下支え策を打ち出すとみるエコノミストは多い。

  中国本土では不動産市場の低迷が続き、企業が顧客つなぎ留めを狙った値引きを行い、デフレ圧力も強まっている。

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原題:PBOC Adviser Urges $209 Billion Stimulus to Offset Tariffs (1)(抜粋)

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