台風12号は熱低化 13号発生へ 線状降水帯予測の適中率より大切なポイントは
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きのう21日に発生した台風12号は、九州南部を横断し、きょう22日午前9時に熱帯低気圧に変わりました。今回の台風は動きが遅く、同じ場所に活発な雨雲がかかり続けたため、鹿児島県では8月平年のひと月分を大幅に上回る雨量となっています。
指宿(指宿市) 321.5mm 8月平年1.6倍
台風が消滅しても、雨雲は消滅するわけではありません。昼過ぎにかけて断続的に激しい雨となる見込みです。雨のピークが過ぎても、すでに川の水位が上がっている所や地盤が緩んでいる所があるため、河川の氾濫や土砂災害には警戒が必要です。
■線状降水帯予測 適中率より大切なこと
今回の台風12号に伴って、奄美地方を除く鹿児島県には線状降水帯予測情報が発表されていました。線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まる恐れがあるときに発表されるものです。 この線状降水帯の予測情報がでると、線状降水帯が発生したかどうかという適中率が注目されてしまいがちですが、それ以上に大切なのは、この情報がどういう意味をもっているかを知っておくことです。この情報がでたら、あと半日程度で大雨となる可能性が高いという意識をもち、大雨への心構えをすることが重要なポイントです。今回も、鹿児島県には22日午前11時時点で線状降水帯は発生していませんが、観測史上最大の雨量を観測した所もあり、被害が発生しています。線状降水帯予測情報は大雨予測情報でもあります。線状降水帯が発生してもしなくても大雨となる可能性が非常に高いということを押さえておきましょう!
■新たな熱帯低気圧 台風13号へ
また、きょう22日午前9時に新たな台風が発生する可能性があるとして、気象庁が熱帯低気圧情報を発表しました。現在、フィリピンの東にある熱帯低気圧は、24時間以内に台風13号になる見込みです。今後、各国のモデルを見ても南シナ海を進むモデルが多く、日本への直接的な影響はなさそうです。 ただ、これから9月にかけて台風シーズンは続きます。今年は台風が日本に近いところで発生する傾向があるため、大雨へ備える期間が短いという印象があるかと思います。平常時から大雨への備えや線状降水帯予測情報など大雨に関する情報を、家族や周りの人と一緒に確認しておけるとよいですね。