実写版の「ド変態」役で度肝抜かれたイケメン俳優 「原作読まずに?」「そんなもん嗅ぐな」

マンガの実写化では、意外なキャストのはまり役が話題になることが多々あります。なかには「サイコパス」「異常者キャラ」がこわいほどハマっていたイケメン俳優もいました。

森崎ウィンさんプロフィール写真

 マンガの実写化において、話を引っ張る存在である悪役を誰が演じるのかは重要な部分です。なかには意外なイケメン俳優が、美形であるのを忘れてしまうほどの強烈な「変態」を演じて話題になった例もありました。

●『外道の歌』園田夢二(演:森崎ウィン)

 2024年12月からDMM TVで配信が始まったドラマシリーズ『外道の歌』(原作:渡邊ダイスケ)では、物語のカギを握る「練馬区の殺人鬼」こと「園田夢二」を演じた森崎ウィンさんの再現度が大きな話題を呼びました。園田はマンガ雑誌の編集者で、自身も後世に残るようなマンガを描こうとしており、その「取材」のために殺人を繰り返しています。

 実写版第1話は、園田がメインキャラ「開成奈々子(演:南沙良)」の実家に侵入し彼女の両親と従姉を殺すところから始まっており、主人公たち「復讐屋」と遭遇する最終第6話まで、物語全体を引っ張る存在でした。特徴的な前髪から伸びた小指の爪まで再現されたビジュアルだけでなく、普段は穏やかながら静かに狂っている園田の演技は、「園田を森崎ウィンくんでキャスティングした人天才か。ドンピシャすぎだろ」「目の奥から声のトーンから、動き、全て役に入っていて素晴らしい」「笑顔が気持ち悪すぎる」と絶賛されます。

 第5話で園田がアーティストを殺害した後、その自宅に妹たちがやってきて焦るという原作通りのエピソードのほか、第2話で園田が義理の娘を虐待で殺した男が開いた記者会見に参加し、男の表情を観察するというオリジナルシーンも、「園田ならこういう反応しそう」と思ってしまう演技を見せていました。実写版では園田の高校時代の最初の殺人シーンも再現されており、今後続編が作られれば彼の大学時代のエピソードも観られるかもしれません。

●『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』辺見和雄(演:萩原聖人)

 実写『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)は、2024年1月に実写映画が公開され、10月からWOWOWにて『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』も放送されており、いずれもキャラクターやストーリーの再現度の高さ、アクションのクオリティーなどで評価を受けました。スタッフ、キャストともに原作マンガのファンが多い実写シリーズにおいて、異彩を放っていたのがドラマ第2話で殺人鬼「辺見和雄」を演じた萩原聖人さんです。

 辺見は物語の争点となる金塊の在処のヒントを彫られた「刺青囚人」のひとりで、過去100人以上を殺害しています。幼少期、弟がイノシシに食い殺される光景を目撃し、自分も必死に抗った末に殺されたいという歪んだ願望を持つようになった作中屈指の変態でもありました。

 萩原さんは、恐ろしい殺人鬼ながら主人公「杉元佐一(演:山崎賢人)」の「人殺しの匂い」に惚れこんでしまう、ある意味純粋でかわいい一面もある辺見を嬉々として演じ、「杉元を思う恍惚とした表情や、人を襲ったときの快感の顔が最高すぎる」「杉元さ~んの言い方が完璧でまじかわいい」「若い頃のイケメンの印象しかなかったはずが、いまや辺見ちゃんで上書きされちゃった」と称賛を浴びます。そして驚きなのは、萩原さんがあえて原作を読まずに辺見を演じていたことです。

 WOWOWオンデマンドで観られるインタビューでは、萩原さんが脚本からイメージをふくらませ、制作チームを信じて演じたことを語っています。萩原さんの実力はもちろん、的確に辺見のキャラクター性を伝え、サポートし撮影したスタッフワークの高さも絶賛されました。ちなみに辺見の「股間が光る」演出は、メイキングを観ると現場でレフ版を使って再現されています。

●『東京喰種 トーキョーグール【S】』月山習(演:松田翔太)

 石田スイ先生の人気マンガの実写映画2作目となる『東京喰種 トーキョーグール【S】』では、松田翔太さんが演じた「月山習」が衝撃的でした。月山は人肉を食す「喰種」のひとりで、ただ生きるためだけに人肉を食べるのではなく、「美食家」としてのこだわりを持っています。そして、もとは普通の人間で喰種の臓器を移植されてしまった、主人公「金木研(カネキ/演:窪田正孝)」の肉に執心するド級の変態キャラです。

 映画シリーズを手掛けたプロデューサーの永江智大さんは、公開時のインタビューで「成功の鍵は、月山習というキャラクターを大成功させること」と語っており、キャストは松田さん以外の選択肢はなかったと振り返っています。また松田さんは公開前の「最高にド変態な月山を上品に演じました」と語っており、宮野真守さんがアニメで演じたテンション高めの月山とはまた違うアプローチを見せました。

 特に月山の気持ち悪さが際立つ、カネキの血が染みたハンカチを嗅ぐシーンは、上品さを保ちながらも狂気が込み上げてくるような演技が印象的です。公開後は「松田翔太にもともと持ってたキザな感じのイメージが月山にドンピシャだった」「なんですかこの変態は(最大級の褒め言葉)。声音、身体の動かし方、全部がブッ刺さった」「アニメのようなガチ変態じゃなく、あえて純度100%のネットリした変態月山を出してきたの本当良すぎる」と、実写版の話題をかっさらいました。

(LUIS FIELD)

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