インフルエンザ感染爆発で5年ぶりに警報基準超え 病院前に“初売り”並みの「受診行列」 “奇跡の9連休”で家族内まん延?…対策に歯磨き・入浴も
1月2日、ずらりと並んだ人たちの列は、初売りでも福袋でもなく、実は病院にできた「患者の列」だった。 猛威を振っているインフルエンザの現況に迫った。
新年の病院前には“受診行列”が 緊急事態は薬局にまで
日本各地で猛威を振るうインフルエンザ。 1医療機関あたりの患者報告数は、前の週に比べ2倍以上となり、警報レベルの都道府県は36となった。
1月2日 開院前にもかかわらず多くの人が並び“受診行列”ができていた この記事の画像(22枚)東京都でも5年ぶりに警報基準を超える中、多くの人が仕事始めを迎える6日、都内のクリニックを取材すると、開院前に多くの人が並んでいた。
新年を迎えた病院の前にできた“受診行列”。
症状を感じて受診しに来た人: 朝早く(開院20分前)に来たが、前には5~6人が並んでいた。
年末に親子でインフルエンザに罹患(りかん)した人: (熱があるときに並ぶとしたら?)きついですね。娘が熱出た時も、私が(列に)並びに来て、順番来たら娘と一緒にまた病院に来るという形だった。
正月の診療時間を6~7時間延長して対応したという病院には、次々とインフル患者が駆け込んできていた。
患者に症状を聞いてみると、発熱・せき・のどの痛み・鼻水・たん・腹痛・吐き気・倦怠感・関節痛・頭痛など、1人の患者で非常に多彩な症状が出ていた。
緊急事態は、薬局にまで及んでいた。
「非常に心配な状態」だと薬剤師の小林和正さんは話す有明ファミリー薬局薬剤師・小林和正さん: 「インフルエンザ薬」は500人分ほど年末に入る前に在庫しておいたが、50人分くらいしかなくなっている状況。これからさらに増える予想が立ちますので、非常に心配な状況。
1月後半がピークか…歯磨きとシャワー・入浴で対策を
ではなぜ、医療機関に行列ができる事態となったのか。
“コロナ中”はインフルエンザは少し減り、コロナ前の2018年・19年のころを見ると、このころは1月下旬ごろがピークだった。
インフルエンザ患者数を表したクラフ 12月に入り年末にかけ伸びているのが分かる通常、インフルエンザは1月下旬から2月頭にかけてがピークとされている。 今回、2024年はどうだったのかグラフで見ると、12月に入ってから年末にかけてグーンと伸びているのが分かる。
これは12月16日から22日、全国平均で1医療機関あたりの患者数が42.66人もいたということで、この数字は過去10年で最多だという。
“パンク状態”になってしまっている要因について、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は「クリスマスごろから爆発的な感染者数になって、それが年末年始の9連休に家族内で広がり、1人の感染者が家族の中で2~3人の感染につながるケースが非常に多い」と話す。
帰省のタイミングと重なるなどして、今回は年末年始から、すでにピークのように増加していて、それが病院のやっていない時期と重なってしまったという。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長: われわれもほかの医療機関も、一定期間休んで、また開始する。(病院を)開けた瞬間に30人以上の患者がどっと押し寄せる、過去最多の逼迫(ひっぱく)の状況でした。“受診難民”の患者さんが非常に多くいたと思う。
インフルエンザのピークは、通常はこれからということだが、「ここから増えてしまうのか」伊藤院長に聞くと、2025年、今回のインフルエンザは1月後半にピークが来るのではということだった。
時期としては例年通りだが、ここからさらにピークがやってくるという。
1月後半にピーク? 治りきっていないのに出かけてしまうと感染拡大につながるおそれその理由として、インフルエンザが治りきっていない人も、連休明けで学校とか仕事が休みづらい空気、状況がある。
つまり治りきっていないのに来てしまうことで、家庭内だけではなく、学校とか仕事場で一気に広がってしまうおそれがあるという。
そうならないためにも、手洗い・うがいに加えて、歯磨きにシャワーや入浴が大事だという。
歯周病菌は感染を防ぐ機能を低下させてしまうため、歯磨きをすることが重要で、ウイルスは毛穴にもいるので、体内に取り込まないように努力するためにシャワーや入浴がとても大事だという。 (「イット!」1月6日放送より)