資産2億3000万円“なごちょう”さんが「一生持つ配当株・これから買いたい株」20銘柄・三菱UFJ426円で買ってるってスゴい【NISA応援】
株式210銘柄への投資で2億円をつくった「なごちょう」さんが一生持ち続ける配当株+今後買いたい配当株、合計20銘柄。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2026春号」から抜粋しています】
【表2点】資産2億3000万円なごちょう氏が「一生持つ配当株」「今後買う株」はコレ!
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株で成功した個人投資家へのインタビュー、1人目は「なごちょう」さん(50代)だ。
210銘柄保有、評価額2億円(2025年12月末現在)、現預金880万円(意外に少ない)、金などの貴金属1200万円。
他の資産も合計すると2億2900万円という。
Xではなごちょうさん、なごちょうさんと呼ばれているが正しくは「名古屋の長期投資家」さん。
下町の文房具店に生まれ、父と同居しながらその文房具店を経営。ほぼ株式投資だけで2億円まで増やした。
自慢の高配当株ポートフォリオから、2024年は年間407万1590円(税引き後の手取り)の配当をもらった。
1995年12月、大学生のバイト代50万円を元手に株をはじめたので、投資歴30年以上。これまでの入金額は1400万円だ。
「こち亀」で株デビュー
小学5年生のときにマンガの『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(こち亀)を読み、興味を持った。
「1億円をもらった主人公の両津勘吉が上司から『そのお金を資産運用に回せ』と勧められる話でした。まだ小5なのに『大人になったら賢く運用するぞ!』とマンガに書き込むほど強く思いました」
大学生のバイトで50万円を貯めたのも地味に偉いと思う。若いときは、つい飲み代やデート代に使ってしまいそうだから。
とはいえ株式投資において50万円は軍資金として心もとない。最初は10分の1の株数から投資できる「ミニ株」というサービスを利用して東芝、富士通、パラマウントベッドなどを買った。
「ミニ株、懐かしい!」と思ったあなたは古参投資家。今はネット証券4社などで1株から自由に株を買える。
当初は失敗続きだった。
ナンピン買い(株価が下げたら買い増して平均購入単価を下げる手法)を繰り返す苦しい時期もあった。でも1999年のITバブルに乗り、資産を830万円まで増やした。
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そこから順風満帆……ではない。
2002年の小泉政権時代に竹中平蔵氏が指揮した金融再生プログラムの余波で、持ち株のUFJホールディングス(当時)が暴落。
その頃、村上世彰(よしあき)氏の村上ファンドが現預金を抱えたアパレル会社、東京スタイル(当時)に大幅増配等を要求する「モノ言う株主」事件が世を騒がせた。
村上ファンドが転機
「村上ファンドの存在を知り、決算書を読み込んだら本来の価値よりも割安に放置されている株で儲けられるかも……と考えました」
ここから「なごちょう式バリュー株(割安株)投資」がはじまる。
2006年に個人投資家の勉強会で言われた一言も効いた。
「持ち株の決算が発表される頃、気になって夜も眠れないのは買いすぎ。1銘柄当たりの株数を減らすと気にならなくなる」
なごちょうさんは素直に銘柄数を増やし、各銘柄の株数は減らした。
今や210銘柄のホルダー。ファンドマネジャーのようだ。
自分のスタイルが固まってからはじめて成功した銘柄は段ボール会社の中央紙器工業(2025年にニッコンホールディングスがTOB=株式公開買い付け)。
自己資本比率70%以上、売上高2期連続で増加、PBR(株価純資産倍率)0.5倍未満などの条件で選び、株価が4倍以上になった。
資産2000万円に近づいた2008年、リーマン・ショックで再びやられる。
いい銘柄も悪い銘柄も総じてたたき売られたあの頃。
2011年の東日本大震災でも大幅に減らした。
最近、株をはじめた人には理解できないだろうが、2010年代前半までの日本株市場は暴落に次ぐ暴落だったのだ。
デフレ地獄で株価低迷が続く時代に成功するのは難しいこと。なごちょうさんは何度も沈みながら、諦めなかった。
東日本大震災直後に、ペットボトル製造装置で世界トップクラスの日精エー・エス・ビー機械を買った。同社の海外売上高比率が当時90%に達していた点に着目し、「地震の影響が小さい」と考えたのだ。
この底値買いは見事に成功した。そのあとにやってきたアベノミクス。ようやくなごちょうさんは波に乗った。1銘柄=100万円前後の超・分散投資を心がけ、資産と銘柄数を拡大させた。
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保有銘柄が200銘柄を超えた頃には、投資仲間からなごちょうさんのポートフォリオは日経225をもじって、「なごちょう225」と呼ばれるようになった。
2021年9月に資産1億円、2025年に2億円を超えた。
なごちょうさんの銘柄選びは、「株価が割安で」「ある程度の成長性がある銘柄を」「安いときに買い」「あとは長期保有」。
30年の経験で培ったルールは5つ。
(1)PER(株価収益率)10倍以下、PBR1倍以下の割安株が母集団。決算短信などで時価総額を上回るレベルの流動資産を持つ株を探す
(2)売上高が5年で10%以上伸びているかで成長性をチェック
(3)自己資本比率50%以上など財務状態が健全かをチェック
(4)売上高に対する営業利益が10%以上で売上高営業利益率が高いかをチェック
(5)配当利回り3%以上で高配当株かをチェック
この5つについては、初の著書(バカ売れ)『2億稼げる なごちょう式 低リスク超分散株投資』に詳しく書いてある。
一生持つ配当株ベスト10
今回の取材で、なごちょうさんが「一生持ち続ける配当株」として挙げてくれた10銘柄を上の表にまとめた。
1位は鉄鋼や電子部品などを幅広く手がける老舗専門商社、岡谷鋼機。なごちょうさんの地元、名古屋の名門企業だ。
平均取得単価3971円に対して現在株価は8350円(2025年12月15日現在/以下同)で、2倍以上も上がっている。
2位は補聴器メーカーのリオン。547円の平均取得単価に対して現在株価は2604円。5倍近い上昇だ。
リオンは累進配当を続けており、2026年3月期の1株当たり配当は70円。なごちょうさんの平均取得単価に対する配当利回りは15.5%に達した。
高配当の大型株としてNISAでも人気の三菱UFJフィナンシャル・グループも、当然保有している。
三菱UFJの現在株価は2558円だが、なごちょうさんの平均取得単価はその6分の1の426円! なごちょうさんの保有銘柄の中でも最大レベルの上昇率だ。
他には日用雑貨業界向け流通システム開発会社のプラネット、自動車や電気機器向け環境試験器のエスペック、遊園地の乗り物等を製造する三精テクノロジーズなど。
ニッチな分野で世界トップクラスのシェアを誇る、小粒な優良株を多く仕込んでいる。
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それにしても分散が徹底していることに驚いた。今回教えてくれた10銘柄を見ると多くても1000株しか持っていない。
たとえば前述の岡谷鋼機は400株保有、投資金額約159万円が334万円と素晴らしいが、2億円ホルダーならゼロが1個多くても……。いや、これこそなごちょう式である。
最も少ないリオンの元本は約27万円、現在の評価額は約130万円。少額資金でたくさんの銘柄に分散してリスクを抑える。これなら決算発表の夜も安眠できそう。
なごちょうさんが「今後買いたい株」10銘柄(上の表参照)の中に飯野海運があった。保有株数と継続保有年数が増えると優待がアップする。
中部の居酒屋チェーン、光フードサービスも上位だった。
「ジェネリック医薬品販売のコーア商事ホールディングス、ケミカルポンプで高いシェアを持つイワキ、放電加工機で世界トップ級のソディック、窯業(ようぎょう)系外壁材最大手のニチハ、沖縄のスーパーなどを運営するサンエー……参入障壁の高い事業や高シェア、高利益率を誇る割安成長株に興味があります」
テクニカル完全無視
株の買い時はどうしている?
「自分なりに『この株価まで下がったら買う』という水準を決めて待ちます。月足チャートは1回ぐらい見ますが、それ以外のテクニカル指標は完全無視です」
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【なごちょうさんの投資ストーリー・投資メディア担当者の学び】
「なごちょう225」に至るまで割安株を丹念に買い集め、持ち続けられたからこその2億円達成。
「個別株×長期投資」の威力を再認識すると同時に、マネー業界に20年以上いて、なぜ気づかなかった自分!と問いたいです(涙)。
資産約2億3000万円に対する現金比率が4%弱、年間配当は約400万円ですから、ざっくり2年分の配当金だけ現金を残していらっしゃるイメージ。
億超えする方は、やはりリスクをきっちり取り続けていることを学びました。
(楽天証券トウシル&メディア編集部長/武田成央)
取材・文/中島晶子(AERA編集部)、安住拓哉
なごちょう/個人投資家(X▶@Nagoya_Tyouki)。50代・独身、父と同居。著書『2億稼げる なごちょう式 低リスク超分散株投資』(高橋書店)は発売直後に重版のベストセラーに
武田成央(たけだ・さだちか)楽天証券 トウシル&メディア編集部長。出版社のマネー誌編集者を経て投資情報メディア『トウシル』編集長。トウシルのYouTubeは登録者数44万人突破
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『AERA Money 2026春号』から抜粋
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