大腸がん予防に貢献する新たな内視鏡診断法を開発!
2025年03月14日
◆発表のポイント
- 大腸がんの発生に関与する大腸ポリープの検出率を向上させる新技術を開発しました。
- 酢酸・インジゴカルミン混合液を用いた色素内視鏡観察法が、従来の内視鏡観察法と比較して有意に高い検出率を示しました。
- 今回の発見は、とくに予後不良な右側大腸がん予防に貢献する可能性があります。
岡山大学病院消化器内科の衣笠秀明助教は、住友別子病院(愛媛県新居浜市)・福山市民病院(広島県福山市)・三豊総合病院(香川県観音寺市)・姫路赤十字病院(兵庫県姫路市)・一宮西病院(愛知県一宮市)・岩国医療センター(山口県岩国市)・高梁中央病院(岡山県高梁市)・津山中央病院(岡山県津山市)との多施設共同研究で、酢酸・インジゴカルミン混合液を用いた新たな色素内視鏡観察法を開発しました。これらの研究成果は2025年3月13日、米国の消化器病学雑誌「American Journal of Gastroenterology」のOriginal articleとして掲載されました。 大腸がんの罹患率・死亡率は依然高く、とくに予後不良な右側大腸がんの対策は世界的にも喫緊の課題となってます。インジゴカルミンによるコントラスト法と酢酸による影響を組み合わせることで、平坦で見つけにくいポリープの検出が可能となりました。
本研究成果により、予後不良な右側大腸がん予防に貢献する可能性が高い革新的な診断法の開発であると考えられます。
◆研究者からひとこと
新たな手法である酢酸・インジゴカルミン混合液による大腸内視鏡観察は特別な技術や機器が必要なものではなく、どの施設でも施行可能なものです。この手法が大腸内視鏡診療のゴールドスタンダードになる日は近いかもしれません。 衣笠助教■論文情報 論 文 名:Acetic Acid-Indigo Carmine Chromocolonoscopy for Proximal Serrated Lesions: A Randomized, Three-Arm Colonoscopy Study 掲 載 紙:American Journal of Gastroenterology 著 者:Hideaki Kinugasa,他 D O I:10.14309/ajg.0000000000003411 U R L:https://journals.lww.com/ajg/abstract/9900/acetic_acid_indigo_carmine_chromocolonoscopy_for.1639.aspx ■研究資金 本研究は、日本学術振興会(JSPS)の科学研究費助成事業(#23K07462, #22H02828)および日本内視鏡研究振興財団(JFER)からの支援を受けて実施されました。 <詳しい研究内容について>
<お問い合わせ> 岡山大学病院 消化器内科 助教 衣笠 秀明(電話番号)086-235-7218 (FAX)086-225-5991