爆騰相次ぐ「AI・ツルハシ」銘柄、ここから狙うグロース株を大選抜 <株探トップ特集>

AI・半導体関連の人気が一段と加速し、日経平均を押し上げている。相対的に出遅れるグロース市場だが、この流れに乗る有望株に着目する時だ。ポイントはプレーヤーではなく「ツルハシ」を提供する銘柄群である。
―生成AI革命はインフラ分野こそが富の源流、出遅れグロース市場が草刈り場に―

 東京株式市場が大活況の様相を呈している。日経平均株価は4月27日に終値で初めて6万円台に乗せ最高値を更新、リスクオンの流れを鮮明とした。その際、指数寄与度の高いAI・半導体関連の主力株を中心に異彩人気を博する銘柄が続出した。さすがに買い疲れ感も否めずその後は調整局面に移行し、5万9000円台で上下動を繰り返していたが、ゴールデンウィーク明けとなった7日は再び強気一辺倒に傾斜した。

 この日、日経平均は3000円を大幅に上回る急騰でザラ場に6万3000円まで一気に駆け上がり最高値街道に回帰している。ここまでイラン情勢に振り回され続けてきたが、米国とイランの戦闘終結を巡る交渉がいよいよ大詰めを迎えているとの見方が支配的だ。トランプ米大統領の厭戦気分がマーケットにも伝わっており、足もと原油先物価格の急落がそれを如実に映す舞台装置となっている。 ●グロース市場への資金流入も秒読み  そうしたなか、企業の決算発表も今週末から来週にかけて佳境に突入する。投機性の強い短期資金による決算プレーにどうしても目が行きがちだが、基本は決算跨(また)ぎを避けて、テーマ性のある銘柄を中期スタンスで仕込むのが王道といえる。とはいえ、プライム市場の主力銘柄はバリュエーション面で既に割高感が拭えず、値がさ株が多いだけに大部分の個人投資家にとって参戦のハードルは非常に高い。今は騎虎の勢いでモメンタム相場が続いているが、上値が重くなった時のリスクも考えておかなければならない。そこで、ここはあえて「人の行く裏に道あり花の山」で相対的に出遅れているグロース市場に活路を見いだすのが投資作戦として妙味がある。  グロース市場は金利上昇が常にネガティブ材料として意識されやすいが、現状は日銀の6月利上げまでは織り込んだ状態といってよい。6月以降は12月中旬開催の金融政策決定会合まで利上げが行われないという観測は根強く、仮にそうであるとすれば、年末までの約半年間のタームはグロース市場にとっては相応のモラトリアム効果が期待できる。グロース市場250指数は年初から下値切り上げ波動を継続しているものの、最高値圏を舞い上がる日経平均のハイパフォーマンスには遠く及ばない。コロナショック後の過剰流動性相場で日経平均は大化けしたが、グロース250の時価近辺は10年タームでみて依然として底値ボックス圏の推移から抜け出ていない。今はリターンリバーサルの観点でグロース市場へのローテーションが起こり得るタイミングである。 ●生成AIのインフラ担当に負け組不在

 そして、ターゲットとなるのはデータセンターなどのインフラ投資がこれから佳境入りを迎える AI周辺の銘柄ということになる。グロース市場はAI関連の宝庫でもある。ただし、今マーケットで注目されているのは、AI関連でもプレーヤーとしてではなく、その活躍のステージを作る側、インフラ分野で商機を捉える銘柄だ。

 これは、株式市場で「ツルハシ銘柄」と呼ばれている。AIを駆使してソリューション・ビジネスを展開する企業は数多いが、どこが勝者たり得るのか、競争を勝ち抜く未来の出世株を正確に選別するという作業は困難が伴う。しかし、プレーヤーにツルハシやスコップを売る側は、勝者が誰であっても関係なく、ビジネスチャンスをものにすることが可能である。いわば敗者側に回ることのない戦いなのだ。現在進行形で加速する 生成AI革命だが、これを「ゴールドラッシュ」とするならば、それを掘り当てるために使う「ツルハシ」を提供する側が実は真の利益獲得者であるというストーリーである。

●AIデータセンター関連の伏兵が究極に輝く

 グロース市場のAI・半導体周辺のツルハシ銘柄に再評価余地が高まっており、そこにホットマネーが食指を動かすのは自然の流れである。そのシナリオに乗る銘柄として、2月以降に爆発的な物色人気を呼び込んだのがQDレーザ <6613> [東証G]だった。同社は量子ドットレーザーを中核技術としているが、このレーザー技術が光電融合のキーデバイスとして注目され、同社株にホットマネーが流れ込む背景となった。

 AIデータセンターの建設ラッシュでボトルネックとなっているのが膨大な電力使用とそれに付随する発熱問題で、それに対するソリューションとして脚光を浴びているのが光電融合分野だ。そして、グロース上場銘柄の中でその最右翼にあるのがQDレーザという構図である。同社の株価は今年の年初時点では300円台に位置していた。業績だけをみればトップラインは年々少しずつ伸びているものの、営業損益の赤字が続いており、ファンダメンタルズ面ではその株価水準で違和感はなかった。ところが、同社株はそこから短期大化けのプロセスへと突入することになる。ストップ高を複数回交えながら、あれよと言う間に水準を切り上げ、4月21日には1877円の高値を形成。これは今から5年以上前の2021年2月の新規上場直後につけた上場来高値2070円を視界に捉える急騰劇であった。 ●QDレーザに続く変身株候補を探せ  足もとの世界的なリスクオン相場でプライム市場の主力銘柄が強烈に株価水準を切り上げるなか、グロース市場は蚊帳の外にもみえるが、実際に中身を見れば決してそういうわけではない。QDレーザのようにAIインフラに絡むハードウェアで要衝を担う企業の中には、ハイパフォーマンスの塊のような銘柄も少なからず存在する。裏を返せば、少し長い目で見てここから変身銘柄が相次ぐ可能性も否定できない。何よりも時価総額を考えた場合、テンバガーを達成するのはグロース上場銘柄の特権といっても過言ではなく、要は玉石混交の市場でいかにして玉を拾い上げるかという審美眼の問題なのである。

 光学分野で独自の展開材料を有する企業はQDレーザのみならず、AIインフラのツルハシの役割を担うケースが多い。例えば、オキサイド <6521> [東証G]は酸化物単結晶や、レーザー光源、光計測機器などオプトエレクトロニクス分野で高度な技術を有し、海外売上高比率が8割を超えるグローバルニッチトップとして注目度が高い。外国人持ち株比率が10%未満と低いだけに、今後は海外マネーの組み入れの動きが期待できる。同社が最先端の半導体ウエハー検査装置で必須となる波長変換結晶で、世界シェアをほぼ独占していることは見逃せない。そうしたなか、業績面に目を向けても飛躍期に入っていることが分かる。26年2月期は売上高が初めて100億円の大台に乗せた。増収効果を背景に営業利益は前の期比で4.3倍化したが、27年2月期も営業72%増益予想と目を見張る伸びで9億3300万円と過去最高を更新する見通しにある。

 半導体や電子デバイスの信頼性評価を主力業務とするクオルテック <9165> [東証G]もまたレーザーによる微細加工技術で実績が豊富だ。主要販売先がデンソー <6902> [東証P]であることは同社の実力の高さを示すが、レーザー加工技術に関して言えばスマートフォン向け部品の量産品で需要を捉えている。また、同社は次世代パワー半導体分野に強みを持つが、同カテゴリーは電気自動車(EV)だけでなく、近年AIデータセンター の電力問題に絡んで重要性がにわかにクローズアップされてきた。自社開発のAI画像解析プラットフォームもまたデータセンター特需を捉えている。増収増益トレンドが継続するなか、わずか38億円前後の時価総額は評価不足というよりない。

●キオクシア関連でT&S・Gにも視線が向かう

 AI半導体の生産ラインを動かすシステムを手掛ける企業も重要なツルハシ銘柄としてマークが必要だ。このポジションで有力視されるのが、ティアンドエスグループ <4055> [東証G]である。同社は大手電機メーカー向けを中心に生産管理システムの受託開発及び運用・保守サービスなどを手掛ける。独立系だが、先端半導体工場向けなど技術力の高さに定評があり、NANDメモリーの象徴株であるキオクシアホールディングス <285A> [東証P]を主要顧客としていることは見逃せない。このほか、日立製作所 <6501> [東証P]向けでも高実績を有している。業績は好調を極めており、25年9月期営業利益は決算期変更の絡みで前の期との単純比較はできないものの、利益水準は7億5600万円と過去最高を記録。続く26年9月期も同利益は前期比6%増の8億円とピーク更新基調が続くとみられている。同社の場合はキオクシアに対するマーケットの注目度の高さがそのまま追い風材料となりやすく、中期的に株価も見直される余地が大きい。

 他方、研究開発型のファブレス半導体企業であるディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証G]は3次元画像処理技術を強みとし、製造業向けに3Dカメラの精細な描画に必要なグラフィックスIPコアの開発・提供などで高評価を得ている。 エッジAI分野でも活躍が目立つ。AIすべてが巨大なサーバーを基点に作動しているわけではなく、現場で即座に判断するエッジAIの普及が今後はますます重要性を増していく。同社はデータセンターの大規模な計算資源で学習された最新AIモデルを、端末(エッジ側)へ滞りなく移植して稼働させるニーズに対応している。26年3月期業績はトップラインの減少によって、利益採算も悪化しており、営業損益段階で2億7500万円の赤字を見込むものの、27年3月期は立ち直り大幅黒字化が濃厚とみられる。

 更に、HPCシステムズ <6597> [東証G]は科学技術用高性能コンピューターの開発・販売及びソリューション事業を主力展開し、スーパーコンピューター分野で先駆的なポジションに位置するだけでなく、量子化学計算をクラウドサービスで提供するなどの実績もある。同社のツルハシとしての役割は、AI開発に求められるハイクオリティな計算環境の構築及び実装支援だ。これまでに、官公庁の研究機関向け高性能コンピューターを提供している実績が物を言う。業績もここにきて利益の伸びが著しく、26年6月期の営業利益は前期比2ケタ伸長で7億円台乗せを会社側では見込んでいる。株価は4月上旬に急動意、連続ストップ高を交えて同月6日に3390円の年初来高値をつけたが、その後は目先筋の利食い急ぎで大きく下押した。ただ、直近は中段もみ合いを放れる気配も漂う。

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