真相・ニュースの現場から:留置場の24歳「自称クリエーター」が笑顔で語った薬のこと
若者たちの間で、薬の過剰摂取(オーバードーズ、OD)が繰り返されている。
「一緒にやらない?」
東京・歌舞伎町では10代の少年少女たちが、風邪薬や睡眠薬を気軽に飲み回す。警察は「命に直結する。何とかやめさせたい」と取り締まりに精を出す。
そんな中、歌舞伎町で何人もの女性たちが薬の入手先として名を挙げた男性がいた。
7月、都内のある警察署。記者が訪ねると、その男性は面会室のドアを開けてやってきた。【洪玟香】
歌舞伎町で若者たちのオーバードーズが絶えません。その実態に迫ります。 前編:2円の薬が「500円」飲むのをやめられない少女たちの入手先
「ポーチの中にいつも大量の薬」
1月にその男性と知り合ったという少女(17)は言う。
「歌舞伎町にいた時、誰か一緒にいてくれる人がほしくて、それが彼だった。最初から目当てにしていたわけじゃないけど、彼はいつもポーチの中に薬をたくさん持っていた」
やがて男性から睡眠薬や抗不安薬をもらうようになった。金を請求されたこともあるが、結局は支払わなかったという。
少女は、歌舞伎町が「行けば薬が手に入る場所」だったと振り返る。「薬を売るのも金になるし。私も異常だったから、そういう異常さに気づけなかった」
5月に売春事件で逮捕され
そうした話を聞きに、記者は2度、その男性に面会した。
24歳の自称クリエーター。実際には「トー横広場」周辺を居場所にして「いのっち」と名乗り、インスタグラムやTikTokに動画や写真の投稿を続けていた人物だ。
いのっちは5月、歌舞伎町で知り合った15歳の少女に売春をさせたとする児童福祉法違反容疑で逮捕された。6月にも別の14歳の少女に性的暴行した疑いで再逮捕され、2カ月以上、警察署に勾留されている。
警視庁によれば、いずれも容疑を認めている。不同意性交等罪や性的姿態撮影処罰法違反、売春防止法違反で起訴され、公判を待つ身だ。
冗舌な語り口、笑いの中に交えたもの
アクリル板の向こう側で、彼は冗舌だった。
「僕はODをする子たちを助けてきたんです。自分で…