U-17日本代表はアジア杯3連覇ならず…開催国サウジアラビアとのPK戦に屈して8強敗退

[4.13 U17アジア杯準々決勝 日本 2-2(PK2-3) サウジアラビア タイフ]  U-17日本代表は13日、AFC U17アジアカップ2025の準々決勝で開催国のU-17サウジアラビア代表と対戦し、2-2で突入したPK戦を2-3で落とした。大会3連覇を目指したもののMF堂安律やDF冨安健洋らが参加した2014年大会(当時はAFC U-16選手権)以来となる4大会ぶりの8強敗退。なお決勝トーナメント進出により、11月にカタールで行われるU-17ワールドカップの出場権は獲得している。

 日本はグループリーグ最終節から先発を8人変更。GLではGKをローテーションした中で、GK村松秀司(ロサンゼルスFC=アメリカ)は2試合連続でゴールを守った。3バックは右から今大会初出場のDF元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島ユース)、DF藤田明日翔(川崎F U-18)、DF藤井翔大(横浜FMユース)。右ウイングバックを2試合ぶり先発のMF長南開史(柏U-18)、左ウイングバックも2試合ぶり先発のMF姫野誠(千葉U-18)が務め、2試合ぶり先発のMF野口蓮斗(広島ユース)と今大会初先発のMF今井宏亮(東京Vユース)の2ボランチが組まれた。2シャドーは初先発同士のFW小林志紋(広島ユース)とFW瀬口大翔(神戸U-18)。1トップも今大会初先発のFW谷大地(鳥栖U-18)となった。

 前半3分、サウジアラビアにいきなり決定機を作られた。GKのキックが最終ラインの背後に飛ぶと、MFアブドゥルラフマン・スフヤニが藤井の前に入ってシュート。これをGK村松がセーブすると、そのこぼれを拾ったスフヤニが再びシュートを打ったボールはクロスバーに直撃した。日本はGLでもロングボールから2失点しており、課題の形でピンチを招いた。  失点を免れた日本は前半4分、瀬口が左サイドからのスローインを頭でペナルティエリア内に持っていくと、相手DFアブ・バケル・サイードの左手にボールが当たる。当初はプレーが続行されたもののこのラウンドから導入されたVARが介入すると、主審は映像を見てPKと判定。このチャンスを同8分、瀬口がゴール左に沈めて今大会初ゴールで先制に成功した。  ところが日本は前半15分、MFアブドゥルアジズ・アルファワズが右サイドからペナルティエリア内に侵入してきたところで、姫野が後方から足を引っ掛けてしまう痛恨のファウル。今度はサウジアラビアにPKが与えられた。これを先ほどハンドでPKを与えていたサイードに決め返され、同17分に振り出しに戻された。  日本は勝ち越しを狙って前半21分、元砂が小林に縦パスを通してゴールに迫り、小林の絶妙なスルーパスで谷が抜け出しかけるも、寸前のところで相手DFにコースを変えられて谷には繋がらなかった。同35分には瀬口のパスで今井がポケットを突いて折り返すとペナルティエリア内にこぼれたボールを瀬口がシュートしたが、GKに防がれた。  そうした中で前半37分、サウジアラビアが最終ラインからのロングボールで右サイドに展開。ジャンプした姫野の頭上を越えたボールがスフヤニに繋がると、ゴールライン際からスフヤニが折り返したボールをFWサブリ・ダハルに押し込まれて逆転ゴールを許した。  追いかける日本は前半43分、長南が敵陣でボールを奪ってペナルティエリア内の瀬口に預け、瀬口の落としを谷がダイレクトシュート。同45+1分には小林の粘りから姫野が右足を振ったが、いずれも枠を捉えられなかった。

 廣山望監督は1点ビハインドの後半、スタートから小林との交代でFW浅田大翔(横浜FM)を投入。開始4分、藤田からのフィードを長南がヘディングで最終ラインの背後に落として浅田が抜け出す。浅田のクロスはGKに触れられてゴール前にこぼれたが、日本は詰めきれなかった。直後には浅田がボールがすくい上げるようにして最終ラインとGKの間に浮き球を送り、反応した谷がヘディングシュート。これはGKに当たって勢いが弱まわり、ゴールの手前で相手DFにクリアされた。

 日本は後半9分、瀬口との交代で今大会3ゴールのFW吉田湊海(鹿島ユース)を投入して攻勢を強めにいった。吉田は後半13分、姫野とのワンツーで左サイドを抜け出して高速グラウンダークロスを供給。浅田が滑り込んで合わせにいったもののわずかに届かず、GKにキャッチされた。

 それでも後半は日本が押し込み続ける展開。迎えた後半27分、元砂が最終ラインで空中戦を制して吉田、谷と繋ぐ。谷のスルーパスで浅田が最終ラインの背後に抜け出すと、そのまま冷静にGKとの1対1を制して同点。浅田は初戦以来の今大会2点目になった。

 廣山監督は同点後のキックオフを前に姫野に代えてMF針生涼太(清水ユース)、長南に代えてMF田中遥大(FC東京U-18)を投入。同40分には今井との交代でFW加茂結斗(柏U-18)を送り込んで野口の1アンカーに布陣を変え、逆転を狙った。

 日本は同点後にセットプレーの流れから針生のクロスを谷が、後半アディショナルタイムにも針生のクロスを吉田が頭で合わせるなど3点目を狙い続けたが、決勝ゴールは生まれずに2-2のままタイムアップ。大会規定により延長戦は行わず、PK戦で決着をつけることになった。  先攻の日本は1人目の浅田、2人目の吉田が成功するもサウジアラビアも2人目まで成功。すると3人目の加茂が右に蹴ったボールをGKアブドゥルラフマン・アルオタイビに止められた。それでも直後のサウジアラビア3人目をGK村松が見事に弾き返し、相手にリードを許さなかった。  ところが日本の4人目で登場した藤井のキックはクロスバーに当たって失敗。さらにサウジアラビアの4人目が成功すると5人目の針生はポストに嫌われ、敗退が決まった。●AFC U17アジアカップ2025特集

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