前週比96%高の急騰!サイバー攻撃から企業を守る「セキュリティ銘柄」が株価上昇率ランキング独占…今週の注目銘柄は?

連載中 トレンドマーケットスクールTOKYO トウシル編集チーム 楽天証券

 先週は相次ぐサイバー攻撃でネットセキュリティ株が急騰。半導体製造装置株も上昇。週明け12日の米国市場で半導体メモリ株に売りが広がったため、今週の日経平均株価は下落して始まりそうです。原油高を好感した資源株と値上げで潤う国内小売株の決算発表が下支え役になりそう。TSMC決算によるAI株の持ち直しにも期待したいところです。

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  終値 前週末比 前週末比率 日経平均株価 6万9,030円 +721円 +1.06% TOPIX 4,104.8pt +13.8pt +0.34%

 先週の日本市場は、サイバー攻撃による情報漏えいが相次いだことでネットセキュリティ株が急騰しました。

 クレジットカードのセキュリティ監視を行うブロードバンドセキュリティ(4398)が前週末比96.0%高、「緊急セキュリティ相談窓口」を開設したサイバーセキュリティクラウド(4493)が87.5%高と急騰。セキュリティ関連株が全体市場の上昇率ランキング上位を独占しました。

 サイバーセキュリティ関連株は時価総額が1,000億円以下の小型株が多く、ひとたび買いが殺到すると株価が倍近くまで急騰することもあります。

 一方、情報漏えいを発表した企業はカラオケ「ビッグエコー」運営の第一興商(7458)が個人情報872万件漏えいのおそれで2.9%下落したものの、「えきねっと」などで206万件の個人情報が流出した可能性があるJR東日本(9020)は2.4%高。

 あまりに多くの企業が情報漏えいを発表したため、それほど悪材料視されませんでした。

 日経平均株価が3カ月ぶりに一時7万円の大台を回復し、市場の雰囲気が好転したことも影響しました。

 人工知能(AI)関連株では、8日(木)の決算で今期2027年2月期の大幅な業績上方修正と配当引き上げを発表した半導体運搬装置メーカーのローツェ(6323)が21.7%高したのが目を引きました。

 日経平均株価に対する影響力の強い半導体検査装置の大型株アドバンテスト(6857)も7.7%高して上場来高値を更新。

 韓国の半導体メーカー・サムスン電子が、前年同期比で9倍近い2026年7-9月期の営業増益を発表したことで、同社に製品を納入する半導体製造装置株がAI株の主役に踊り出ました。

 一方、生成AIアプリ「ChatGPT」を運営する米国オープンAIの年換算した9月売上高が従来予想より200億ドル(約3.2兆円)も下振れするという報道で、同社に巨額投資するソフトバンクグループ(9984)は8.0%安でした。

 半導体メモリの花形株キオクシアホールディングス(285A)も10月1日(木)に株式を3分割したイベント通過もあり、9.3%安と力なく下落。同じAI株でも強弱まちまちの展開でした。

 また8日(木)の衆議院本会議で高市早苗首相自らが金融緩和を続ける「リフレ政策が必要な局面ではない」と答弁したこともあり、国債市場では長期金利の指標となる10年国債の金利が3.00%台まで低下。

 これを受け金利低下が収益停滞につながる銀行株が売られ、経営統合の検討で株価が急騰してきた秋田銀行(8343)が13.1%安、岩手銀行(8345)が10.8%安となるなど、特に地方銀行株が利益確定売りに押されて下落しました。

中東情勢緊迫で資源株の独歩高?内需小売り株やAI株の巻き返しに期待!

今週の日本株の注目トピック

日付 イベント 10月12日(月) ・サウジアラビアの空港攻撃で原油価格が上昇。米国株はエネルギー株上昇、半導体メモリ株急落 10月13日(火) ・イオン(8267)が決算発表 ・米国で銀行株の2026年7-9月期決算発表始まる 10月14日(水) ・良品計画(7453)、サイゼリヤ(7581)が決算発表 ・米国で9月CPI

・ASMLHD(ASML)が決算発表

10月15日(木) ・台湾積体電路製造(TSMC)が決算発表 ・マネーフォワード(3994)、高島屋(8233)、東宝(9602)が決算発表

 今週は、週末10日(土)にサウジアラビア首都の国際空港がイエメンの親イラン武装組織フーシ派からの攻撃を受け12人が死亡。中東情勢悪化による原油価格上昇が株価の足を引っ張りそうです。

 燃料費や資材価格高騰の悪影響を受ける空運、化学、建設、鉄鋼、自動車株など景気敏感株が売られ、世界中に原油・天然ガスの権益を持つINPEX(1605)など鉱業セクター、紅海封鎖で船賃高騰の恩恵を受けやすい日本郵船(9101)など海運セクターなどが独歩高する展開も考えられます。

 週明け12日(月)の米国市場では、中国の半導体大手CXMTが次世代半導体メモリの量産を開始したという報道で半導体メモリ株が急落しているため、AI半導体株やその影響力が強い日経平均株価もつられて下げそうです。

 また、フランスの長期金利が24年ぶりの高水準まで上昇し、欧州債務不安が依然としてくすぶり続けています。

 今回の危機は「肥大化するフランス政府と社会保障」の頭文字をとった「FLOGS」と命名されています。欧州から逃げ出した投資マネーが、長期金利の上昇が一服した日本に流れ込む展開に期待したいところです。

 13日(火)には米国でJPモルガン・チェース(JPM)など銀行株の2026年7-9月期決算の発表が始まります。

 24年ぶりの高水準となる5.34%台に達した米国の10年国債金利の急上昇で、米国の金融機関に業績悪化の兆候が出ると、日本の銀行株、保険株、リース会社などに売りが波及するかもしれません。

 日経平均株価が7万円の大台を再び回復する上で注目なのが、14日(水)のオランダ半導体製造装置メーカー・ASMLホールディングス(ASML)、15日(木)の半導体受託製造世界一・台湾積体電路製造(TSMC)の決算発表です。

 先週の韓国サムスン電子と同様に、予想をはるかに上回る受注状況や今後の売上見通しが示されると、先週も好調だったアドバンテスト、SCREENホールディングス(7735)など半導体製造装置メーカーをけん引役にAI相場が再び持ち直すかもしれません。

 今週は内需系の小売・サービス業に多い2月決算企業の中間決算発表がピークを迎えます。

 先週も値上げやキャンペーンメニューによる顧客増加で2027年2月期の通期業績の上方修正と増配を発表した吉野家ホールディングス(9861)が前週末比7.1%上昇。

 今週決算発表する小売企業では、13日(火)のJ.フロント リテイリング(3086)、15日(木)の高島屋(8233)など、株高による旺盛な高額消費で前四半期の2026年3-5月期も好決算だった百貨店株に期待したいところ。

 値上げをしなくても好業績だったものの、7月に今後の値上げを検討中と発表したイタリアンレストランのサイゼリヤ(7581)も14日(水)に決算発表。もし値上げの発表があれば、株価が急騰するかもしれません。

 その他、13日(火)には利益率の低さが嫌われて2026年は前年末比51.1%も株価が下落している流通最大手のイオン(8267)が決算発表。

 14日(水)にはスキンケア製品の販売が絶好調で株価も前年末比59.0%高と4年連続で株価50%高が続く「無印良品」の良品計画(7453)も決算発表。

 小売業の勝ち組と負け組がさらに鮮明になるのか、それとも下げ過ぎたイオンの株価が決算発表で反転上昇するのかが注目されます。

 いずれにせよ、小売、サービス業など内需株は値上げで好業績トレンドが継続する可能性が高いため、今週も2月決算企業の中間期決算発表が株価の下支え役になりそうです。

 先週急騰したサイバーセキュリティ株は上昇が急ピッチで、話題性のみの資金流入だったこともあり、利益確定売りに押されて株価が反落する可能性も高そうです。

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