マイクロソフト幹部、路上で銃殺 親権めぐる対立で元妻らが契約殺人
(CNN) 米マイクロソフトの若手幹部ジャレッド・ブライドガン氏(当時33)は2022年、冬の終わりの暖かな日にフロリダ州ジャクソンビルビーチにある元妻の自宅まで双子を送り届けたところだった。 【画像】弁護士らと談笑する元妻の夫(全2枚) 夕暮れ時に2歳の娘を後部座席に乗せて自宅へ向かい始めたところ、道路の真ん中にタイヤが置かれているのに気がついた。車から降りてタイヤを移動させたものの、運転席へと戻る前に何者かに路上で射殺された。犯人は逃走した。 ジャクソンビルビーチからほど近いセントオーガスティンの自宅までは何度も車で行き来していた。2022年2月の水曜日もいつもと変わらない1日だった。幼い娘と双子と夕食を食べ、双子を母親のもとに返し、夜には妻と赤ちゃんが待つ自宅へ車で戻るという流れだった。 しかし検察によると、ブライドガン氏を殺害した人物もその日課を把握しており、車から降りるよう仕向けるため路上にタイヤを置いた。ジャクソンビルビーチ警察は「計画的で、狙いを定めた待ち伏せによる殺人」と断定した。 CNN提携局WJXTが検察の説明として伝えたところによると、複数の銃弾がブライドガン氏の体と車を貫き、そのうち1発は幼い娘から数センチをかすめた。 遺体は路上に放置され、車や財布、腕時計などの所持品は手付かずだった。何かが盗まれた形跡もなかった。 捜査当局は、この事件について、ブライドガン氏の元妻と、その夫が数カ月にわたって仕組んだ契約殺人だったとしている。夫の裁判は17日に始まった。 AP通信によると、検察は冒頭陳述で、「殺し屋はブライドガン氏とは面識のない人物だった。殺人は個人的な動機によるものだ」と述べた。 弁護人は、夫にはブライドガン氏を排除する動機も願望もなかったと主張した。
捜査当局は、元妻がブライドガン氏と双子の親権を共有することに嫌気が差したとみている。裁判資料によると、親権争いは何年にもわたって続いていた。 検察は17日、2人の関係について「あらゆることで争う、ひどいものだった。ささいなことで対立し、双方にとって良い状況ではなかった」と述べた。 WJXTによると、ブライドガン氏が殺害された当日の夜、元妻は警察に対し、「離婚は円満ではなかった」と話し、2人の連絡手段はテキストメッセージだけだったと説明した。 元妻の父親は、ブライドガン氏を遠ざけるため本人に金銭を払う意思を示していた。検察はまた、元妻の夫が「前にも人を殺したことがある」と話し、元妻も夫なら「ブライドガン氏を誰にも知られずに始末」できると話していたとする友人の証言も提示した。 警察は、夫が男を雇ってブライドガン氏を射殺させようとしたとみている。 ブライドガン氏が路上で撃たれた後、1人が徒歩で逃走し、別の1人が車で逃走したという。 銃撃から約1年後の23年初め、捜査員らは、実際に銃撃したとみられる男(62)を逮捕した。男は元妻の夫から物件を借りていた。 その後、夫は23年3月、オーランドで殺人や教唆の容疑で逮捕された。本人は無罪を主張している。 銃撃したとみられる男の逮捕は捜査の大きな突破口となった。 検事は、捜査の結果、ブライドガン氏と男を結ぶ唯一の人物が夫であることが判明したと述べた。 検察が公開したGPSの証拠は、男が銃撃の前月にブライドガン氏が通るルートを2度走行していたことを示していた。検察はこれを「殺害ルートの予行演習」と呼んでいる。 捜査当局は夫から男宛てに22年10月に振り出された小切手3枚を発見した。通話記録によると、2人は電話で60回以上も連絡を取り合っていた。 検察は、夫が「ブライドガン氏殺害の教唆、共謀、実行に不可欠な役割を果たした」としている。 さらに夫の逮捕から5カ月後、元妻も拘束され、殺人や共謀などの罪で起訴された。元妻も無罪を主張している。 検事は元妻逮捕後の23年8月、殺害の真相が明らかになり、男が単独で行動したのではなく、夫も単独で計画したのではないと述べた。そして元妻の起訴は、ブライドガン氏に対する冷酷で計算され、計画的に行われた殺人において、元妻が中心的かつ重要な役割を果たしたことを示していると断言した。 元妻の裁判は来月初旬に予定されている。