「慰安婦詐欺劇を終息させ、韓日友好を」金柄憲氏が講演 韓国で慰安婦像の撤去求めて6年
元慰安婦証言の矛盾点などを検証する「韓国国史教科書研究所」の金柄憲(キム・ビョンホン)所長が27日、東京都内で講演した。金氏は「慰安婦詐欺劇が終息すれば、堅固で恒久的な韓日友好関係が成立する」と強調し、「ウソは葛藤と対立を生むだけだ」とも指摘した。金氏は韓国で「日本軍に連れて行かれた朝鮮人女性は1人もいない」などと訴え、慰安婦像撤去を主導して求めている。
撤去デモは6年間で320回
金氏は一般社団法人「国際歴史論戦研究所」が主催した「日韓合同シンポジウム」で講演した。
金氏は歴史学者。ソウルの日本大使館前の慰安婦像横で毎週水曜、元慰安婦の支援団体「正義連」(旧挺対協)が行う集会の隣で、像の撤去や水曜デモの中断を訴えている。活動は2019年12月以降6年にわたり、計320回を数える。
金氏は正義連より慰安婦像に近い場所を確保するため、デモ活動に先立って毎回深夜に地元の警察署を訪れ、道路使用許可を申請している。
講演する金柄憲氏=27日午後、東京都文京区ソウル以外にも慰安婦像が設置される場所に出向き「慰安婦問題は国民と世界を欺いた国際詐欺劇」などと垂れ幕を掲げる。22年6月にはドイツ・ベルリン市ミッテ区の慰安婦像前(25年10月撤去)で集会を行った。
韓国の国旗である太極旗と日の丸の旗を振り、日本の保守系団体と活動することもある。
「ウソで日本に憎悪心を植え付けるのは犯罪」
金氏がより問題視するのが、慰安婦問題を扱った学校教育のあり方だという。
金氏は講演で「慰安婦は基本的に営業許可を得て、稼いでいた売春女性だ。未成年に教える内容ではない。日本軍を加害者に設定したことはウソだ」と指摘し、「ウソで制作された慰安婦像を教科書に載せ、学校内に設置し、生徒たちに隣人(=日本)に対する憎悪心を植え付けるのは教育ではなく、犯罪だ」と訴えた。
その上で、慰安婦問題を解決する方法について、「慰安婦詐欺劇の核心である『日本軍による強制動員説』を遮断したり、除去することだ」と語った。
「金所長は動じない」
金氏を現地でサポートする通訳の宮本富士子氏も登壇した。金氏について「韓国の正義連の活動を縮小する功績を残した。(金氏らの活動の)参加メンバーは5、6人だが、その声が影響を与えた。(近年で)最も多い時(=19年8月)は2万人が集まった『水曜集会』の人数は最近30人程度に減った」と語った。
記念撮影する金柄憲氏(右から4人目)や通訳の宮本富士子氏(右端)らシンポジウムの参加者=27日午後、東京都文京区金氏が活動を始めた19年は日本の半導体材料の対韓輸出厳格化などを受けて、反日世論が盛り上がった年だ。
宮本氏は「金氏が地方に行けば、いろいろな人が活動に文句を言ってくるが、動じない。慰安婦問題のウソを知る韓国の学者も法廷闘争に巻き込まれたくないから黙っているが、金氏は何十回訴えられても、一人で戦っている」と述べた。「金氏の活動が日本の人に知られ、逆に韓国の言論を動かしていってほしい」と期待も示した。(奥原慎平)