今さら聞けない「ジブリ」の勘違い『魔女宅』少年はトンボじゃない、『ラピュタ』ドーラの息子は何人?

ドーラ一家で実の息子は3人だけ、トンボは本名ではなく愛称だった? 誰もが知るジブリ映画で勘違いされがちなことの真実をお伝えします。

トンボという愛称で呼ばれる少年の本名は? 『魔女の宅急便』静止画より (C)1989 Eiko Kadono/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, N

 スタジオジブリのアニメ映画は、世界的にも人気の日本を代表するアニメーション作品です。現在、27作品もの映画が生み出されているなか、多くの人が勘違いしている設定があります。いったい、どんな勘違いがあるのでしょうか?

●『天空の城ラピュタ』ドーラ一家でリアル息子なのは3人だけ?

『天空の城ラピュタ』に登場する空中海賊「ドーラ一家」では、ちょっと間が抜けた息子たちに、「ドーラ」はしょっちゅう「バカ息子ども!」とカミナリを落としています。彼らはドーラ一家という名前の通り、家族経営の空中海賊なのです。長男が「シャルル」、次男が「ルイ」、三男が「アンリ」と、息子たちの名前はフランスの王様の名前から取られています。ひょっとしたら、ドラ息子という意味合いも込められているのかもしれません。

 よく勘違いされるのですが、ドーラの血縁関係にあるのはこの3人だけです。それ以外は、ドーラが見込んで空中海賊に引き入れた赤の他人でした。設定集によると、他の子分たちの名前は、ポルトガル出身の「カ」、エジプト出身の「キ」、中国出身の「ク」、日本出身の「ケ」、セナガル出身の「コ」となっています。子分A、子分Bではなく、なぜかカキクケコになっているのが面白いですね。

 思えば、「パズー」と「シータ」がドーラ一家の飛行船「タイガーモス号」に乗り込んで、女首領ドーラやベテラン機関士のじっちゃんと交流するシーンは、擬似家族を形成していくような趣きがありました。カキクケコたちも、ドーラにとっては家族同然の仲間たちなのでしょう。

●『魔女の宅急便』のトンボは本名ではなく愛称だった?

 主人公の「キキ」が、魔法使いの修行のために暮らす街で、最初に仲良くなる少年が「トンボ」です。宮崎駿監督は、「頭が良く、快活で、女の子にモテる少年」という設定でこのキャラクターを膨らませていったそうです。「飛行クラブに所属する、丸メガネの少年」という造形は、思い切り宮崎駿その人のような気もしますが、ひょっとしたら少年時代の自分自身を重ねているのかもしれません。

 よく勘違いされるのですが、トンボは名前ではなく実は愛称で、本名は「コポリ」といいます。丸っこいメガネがトンボの複眼のように見えるからかもしれませんが、なぜ彼がトンボというニックネームになったのかは、映画や角野栄子さんの原作でも明らかにされていません。

●スタジオジブリではなくスタジオギブリが正しい?

 スタジオジブリという風変わりな名前は、「サハラ砂漠に吹く熱風」を意味するイタリア語の「GHIBLI」から名付けられています。ジブリは毎月「熱風」という小冊子を発行していますが、これも「GHIBLI」に因んだものです。

 実際にはギブリと発音するところを、宮崎駿監督が間違ってジブリにしてしまったというのは、ファンには有名な話です。世界的に有名なアニメーション・スタジオの名前は、壮大な勘違いによるものだったのです。

(マグミクス編集部)

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