エヌビディア決算でAI相場の反撃はあるか?金融株の上昇は続く?
先週末11月14日(金)の日経平均株価は、5万376円で取引を終えました。前週の終値(5万276円)と比べると100円高(0.2%高)となり、数字だけを見れば小幅ながら上昇し、堅調な展開だったように見えます。
<図1>日経平均の5分足チャート(2025年11月10~14日)
出所:MARKETSPEEDII
上の図1を見ても分かるように、週の前半は、米政府機関の閉鎖が解除される見通しとなったことや、大きく売られていたAI・半導体関連株に売り一巡感が出たことで、相場は持ち直しのムードが強まりました。
しかし、単純な週末終値の比較では値を保っているように見えても、日々の値動きを辿ると、印象はあまり良くありません。週末14日(金)に前日終値比で900円を超える大幅な下落となったことで、せっかくの持ち直しムードに冷や水を浴びせられる格好となりました。
その背景には、米国のハイテク株安を受けて、これまで相場を引っ張ってきた日本のAI・半導体関連株が再び大きく売られたことがあります。やはり、この分野が回復しないと日経平均の上値は重いことを再認識させられる1週間だったと言えそうです。
最高値を更新してきた先週のTOPIX
その一方で強い動きを見せていたのが東証株価指数(TOPIX)です。
<図2>TOPIX(日足)とMACDの動き(2025年11月14日時点)
出所:MARKETSPEEDII
上の図2の通り、先週のTOPIXは上昇基調を続け、史上最高値を更新しました。13日(木)の取引時間中には3,389pまで上昇する場面もありました。
こうしたTOPIXの強さの背景には、物色される銘柄の範囲、いわゆる「ローテーション(物色循環)」が広がったことにあります。日経平均は、ソフトバンクグループ(9984)や東京エレクトロン(8035)といった特定の銘柄(値がさ株)の影響を大きく受けやすい一方、TOPIXは時価総額の大きい銘柄全体(トヨタ自動車(7203)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)なども含む)の動きを反映しやすい指数です。
先週は、AI・半導体関連が調整する中、好決算だったゼネコン(建設)や、国内の金利上昇期待からメガバンク(銀行)、株価純資産倍率(PBR)が低い割安株(バリュー株)などに幅広く買いが入りました。
AI・半導体関連銘柄以外に、物色の裾野が広がってきたことが、TOPIXの最高値更新につながったと言えそうです。
テクニカルの視点で見た今週の日本株のポイントは?
では、今週の日経平均のポイントをテクニカル分析の視点で考えて行きます。
確かに、週末の下落によって印象は悪くなったものの、まだ「上昇トレンドが崩れた」と決まったわけではありません。下の図3にもある通り、株価と25日移動平均線との「乖離と修正」を繰り返しながら上昇トレンドを描くパターンはまだ続いています。
<図3>日経平均(日足)と移動平均線乖離率の推移(2025年11月14日時点)
出所:MARKETSPEEDII
上の図3でも分かる通り、先週14日(金)の下落によって、25日移動平均線との乖離率はプラス1.08%まで縮小しました。直近のピーク時にはプラス8.94%まで乖離が進んでいたことを踏まえると、「かなり修正が進んできた」と言えそうです。
一般的に、移動平均線乖離率については、25日がプラス5%、75日がプラス10%、200日がプラス20%を超えてくると過熱感が意識され、修正に向かいやすいとされています。
確かに、25日については修正が進みましたが、75日と200日との乖離率はそれぞれ、プラス10.52%と23.80%となっていて、まだ修正が進んだとは言えません。そのため、もう一段階の株価下落による修正があるかもしれません。
日経平均の5万円台や25日移動平均線を下回る展開が見込まれますが、その場合、10月に株価がもみ合いを見せていた4万8,000円水準あたりで押し目買いが入るかが最初の下値の目安として意識されそうです。そこで踏みとどまれなかった場合には、75日移動平均線が次の下値目標になります。
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