Geminiの評判がよすぎる。ChatGPTはもうオワコン?

Photo: かみやまたくみ

これを機にGemini触ってみるのは大アリ。

2025年11月下旬に発表されたGoogleの最新AI「Gemini 3 Pro」が高く評価されています。ネット上では「Geminiが便利」という声を本当によく見かけますね。

ChatGPT派の自分は「じゃあChatGPTはもうダメなの?」と気になっていたのですが、どうも話はそんなに簡単ではないようです。

Bloombergと日経新聞がそれぞれ俯瞰した見方を示す記事を出していて、「Geminiがスゴくて評価されているのは事実」「でもChatGPTも十分以上に勢いがあり、支持されている」という感じのようなのです。

ChatGPTには大きなリードと独自性がある

一昨日(2025年11月30日)にBloombergが出した記事には、「GeminiはまだChatGPTに追いついていない」という分析が載っていました。

ChatGPTは公開から3年ほどで週間利用者が8億人を超え、年内には10億人に届く可能性もあるとされています。凄まじい成長スピードです。ユーザー数(月間訪問者数)はGeminiが約1億5300万に対し、ChatGPTは11億。

OpenAIは「支持されて安全に使えるAIサービス作り」に注力しており、ChatGPTの会話をより親しみやすいものに改善したり、ペアレンタルコントロールを導入したりしています。長く深く使ってもらえるかの勝負で先行している感じですね。

新Geminiの評価は本当に高い

対して日経新聞が昨日(2025年12月1日)公開した記事は、株式市場で「Google(アルファベット)陣営」にいま強い追い風が吹いていると伝えています。アルファベット株は11月に月間14%上昇しました。

そして、最新の大規模言語モデル(LLM)「Gemini 3 Pro」が挙げられ、AI評価サイトではトップ評価なのがその要因のひとつだと述べられています。AI向け半導体「TPU(テンサー・プロセッシング・ユニット)」が他社にも採用され始め、エヌビディア中心だったAI半導体市場に新たな選択肢として食い込む期待が高まっているのもあるとされていますが、市場の評価を一気に上げられるほどのAI技術をGoogleが有しているという評価だと言えます。

個人的には、OpenAIがアップデートを出しつくした後でGemini 3 Proを公開したのもうまかったと思っています。OpenAIはGemini 3 Proに先立って新モデル「GPT-5.1」をリリースしています。Gemini 3 Proは10月に出ると言われていましたが、Googleは沈黙を守り、11月になって予告なく突然発表されたんです。リアルタイムで追いかけていたのですが、Geminiの好評をすぐ上書きできるようなアップデートがOpenAIにないタイミングをGoogleは狙っていたように感じました。今回の広報合戦の勝者はGoogleだったという側面もあるかな、と。

実用性はGeminiが一歩先行してるかも

Geminiに搭載された最新画像生成AI「Nano Banana Pro」で生成した、書き文字入りの画像Image: かみやまたくみ generated with Gemini/Nano Banana Pro

一応どっちを使うといいのって話をしておくと、今はGemini優位な感じがしますね。画像生成がとにかく優秀で、日本語のテキストを入れた画像を作れるのがデカすぎる。ChatGPTはまだ綺麗に日本語入りの画像を出力できないので、資料を作ってるときなんかにGeminiが一歩リードしてるなーと感じます。ChatGPT派でも、触ってみる価値があると思います。

しばらく待てばChatGPTもまたアップデートされ、改めてGeminiに対して一定の優位を築くでしょうから、無理に動かなくていいとも思います。実際、今年の夏にGPT-5が発表されてからの数か月はGeminiはあまり話題になっていませんでしたし、実用性もChatGPTが上だったんじゃないでしょうか。

Source: Bloomberg, 日経新聞, Gemini

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