「おかしな動物たち」写真コンテスト 2025年の入賞作

マーク・メス・コーンが撮影した「ハイタッチ」が、ニコン・コメディ・ワイルドライフ・アワードの2025年の総合最優秀賞に選ばれた。© Mark Meth Cohn/Nikon Comedy Wildlife Awards
  • ニコンのコメディ・ワイルドライフ・フォトグラフィー・アワードは、野生動物写真の中でも特にユーモアあふれる作品を毎年表彰しているコンテストである。
  • 2025年は約1万点の応募作品の中から、優秀賞と各部門の優勝作品、そして総合最優秀賞の計16点が審査員によって選出された。
  • 総合最優秀賞に選ばれた作品は、アクロバティックな動きを披露するオスのゴリラの姿をとらえた写真「ハイタッチ」だった。

ニコン・コメディ・ワイルドライフ・アワード(The Nikon Comedy Wildlife Awards)は、つい笑ってしまうような野生動物の写真を紹介するだけのイベントではない。野生生物保全のための資金を集め、自然を守る取り組みを支える役割もある。

毎年、世界中の写真家たちは、本来の生息環境で野生動物が、面白いポーズを取ったり、思わず笑ってしまうような表情を見せたりする瞬間を捉えた写真でこの賞に応募している。

2025年は世界109カ国から1万点もの作品が寄せられ、これは同アワード史上最多の応募数だったという。審査員団はその中から10点の優秀賞、鳥類、魚類、爬虫類など6部門の優勝作品と、そして総合最優秀賞を1点選出した。

ニコン・コメディ・ワイルドライフ・アワードの収益の10%は、毎年環境保全や野生動物保護のリーダーたちに助成金を提供しているイギリスの慈善団体、ホイットリー自然保護基金(Whitley Fund for Nature)に寄付されている。

それでは2025年に選ばれた最も面白い野生動物たちの写真を見てみよう。

撮影:ヴァルテリ・ムルカハイネン(Valtteri Mulkahainen)© Valtteri Mulkahainen /Nikon Comedy Wildlife Awards

ヴァルテリ・ムルカハイネン(Valtteri Mulkahainen)が撮影したのは、フィンランドのマルティンセルコネン地域に棲むヒグマだ。

「クマたちを撮影していたとところ、この1歳くらいの子グマがこちらに気づき、私に向かって笑いかけてきた」とムルカハイネンは書いている。

撮影:メリン・エルヴァンガー(Meline Ellwanger)© Meline Ellwanger/Nikon Comedy Wildlife Awards

メリン・エルヴァンガー(Meline Ellwanger)は、3頭のライオンが同時にあくびをする瞬間を捉え、「実に愉快で幸運な一瞬」と表現している。

撮影:エルッコ・バーデルマン(Erkko Badermann)© Erkko Badermann/Nikon Comedy Wildlife Awards

「アカエリカイツブリは飛行があまり得意ではなく、着水する時にはたいていふらついている」と、フィンランドでこの写真を撮影したエルッコ・バーデルマン(Erkko Badermann)は記している。

「この鳥は、まず脚を後方へ伸ばして体勢を整えてから、腹ばいの姿勢で水に滑り込む。彼らは水面を滑走路として使っているようだ。ところが今回撮影した鳥は、真正面から私に向かって飛んできて、まるで飛行訓練でも受けたかのように安定した着水をしていた」

撮影:カリン・ボテフ(Kalin Botev)© Kalin Botev/Nikon Comedy Wildlife Awards

カリン・ボテフ(Kalin Botev)はジンバブエにあるワンゲ国立公園(Hwange National Park)を訪れた際、木の上で遊んでいるヒヒの一団に出くわした。

「座っているヒヒの横をヒヒたちが通り過ぎるたびに、そのヒヒが面白い仕草で仲間をつかまえようとしていた」とボテフは書いている

撮影:クリスティ・グリントン(Christy Grinton)© Christy Grinton/Nikon Comedy Wildlife Awards

クリスティ・グリントン(Christy Grinton)は、カナダのブリティッシュコロンビア州にあるビクトリアのビーコンヒル公園(Beacon Hill Park)で、リスが子どもたちを新しい巣へと運び出す様子を撮影した。そのリスが巣を離れる際、濡れたしっぽが頭の上へと乗り上がり、まるでツンツンに逆立った髪形のように見えたという。

「彼女を見た瞬間、思わず笑みがこぼれた。『まさに髪を洗った直後に玄関のチャイムが鳴ってしまう、あの瞬間だ』と思った」とグリントンは記している。

「さらに、彼女の周りの木の樹皮の質感や色合い、そして頭の上の『洗い立てのボサボサの髪』のような姿にも魅了された」

撮影:ブレット・サールウェクター(Bret Saalwaechter)© Bret Saalwaechter/Nikon Comedy Wildlife Awards

ブレット・サールウェクター(Bret Saalwaechter)は、タンザニアのセレンゲティ国立公園で、母ライオンにちょっかいを出してじゃれつく子ライオンたちの姿を撮影した。

サールウェクターによると、子ライオンたちは1時間以上も母親の後をついて回り、セレンゲティの名物であるコピエ(大地に点在する岩山)のまわりを、おっぱいをねだったり遊んだりしながら行ったり来たりしていたという。

「うだるような暑さの中で機嫌が悪かった母ライオンは、そのたびに短く唸り声を上げて拒否を示し、この騒がしい状況から逃がれようとしていたが、子どもたちはあきらめなかった。小さく噛みついたり、もっと構ってほしいと母ライオンを声を出して追いかけていた」とサールウェクターは記している。

撮影:リリアナ・ルカ(Liliana Luca)© Liliana Luca/Nikon Comedy Wildlife Awards

リリアナ・ルカ(Liliana Luca)は、マダガスカルで、まるでチーズ味のスナック菓子「フォンジーズ」を食べ終えたかのように指をなめているキツネザルを撮影した。その仕草は、舞台俳優のような優雅さと、コメディアンのような絶妙な間をあわせ持っていたという。

「この写真を見た瞬間、あの昔のスナック菓子のコマーシャルを思い出した。『指をなめなければ、本当に楽しんだとは言えない』という決まり文句が印象的なコマーシャルだった」とルカは書いている。

撮影:アリソン・タック(Alison Tuck)© Alison Tuck/Nikon Comedy Wildlife Awards

アリソン・タック(Alison Tuck)は、イギリスのヨークシャー州のベンプトンの絶壁で、巣作りのために集めてくわえた草がカツオドリの顔に吹きつけられた一瞬をとらえた。

撮影:アネット・カービー(Annette Kirby)© Annette Kirby/Nikon Comedy Wildlife Awards

アネット・カービー(Annette Kirby)は北海道で、自分が捕まえた魚を守っているオオワシの姿を撮影した。

「ほかの鳥が上空を飛び近づいてくるたびに、彼らをにらみつけるオオワシの表情を撮影した。獲物を手放すという選択肢はオオワシにはまったくなかった」とカービーは書いている。

撮影:マーク・メス・コーン(Mark Meth Cohn)© Mark Meth Cohn/Nikon Comedy Wildlife Awards

総合最優秀賞も受賞したマーク・メス・コーン(Mark Meth Cohn)は、ルワンダのヴィルンガ山地で、母親のそばで嫌がる表情を見せる赤ちゃんゴリラを撮影した。

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