土砂押し寄せ…集落水没 ネパールで洪水 300人超死亡 日本人5人不明
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ネパールと中国の国境地帯で大規模な洪水が発生し、これまでに300人以上が死亡しました。外国人観光客も多く訪れる人気のトレッキングコースで、日本人の家族とみられる5人と連絡が取れなくなっています。
土砂押し寄せ…集落水没
下側が何百メートルにもわたって崩れ落ち、斜面の半分がむき出しになった山。その下を流れていた川は土砂で埋まり、さらにもう1つの山を作っていました。今回の水害を引き起こした崩落現場とされています。
行方不明者はネパール側の発表だけでも900人を超えました。
押し寄せた土砂は一瞬で護岸を削り、橋を押し流していきます。さらに上流とみられる別の場所では、茶色く濁った土砂が元々流れている水をのみ込んでいきます。狭い渓谷だからなのか、水の勢いは増幅され、すさまじいエネルギーが発生しています。それは直径数メートルもある岩をも動かすほどでした。少し水が引いた後ですが、空から見ると、いくつもの集落が水没していました。
水害はネパールの北側、チベットでも起きました。高さ20〜30メートルほどとみられる中国の国境検問所を、土砂は一瞬でのみ込んでしまいました。
国境をまたいで広範囲に出た被害。なぜこうなったのか。大元はエベレスト擁すヒマラヤ山脈で起きた地すべりとみられています。6000〜7000メートル級の峰が連なる辺り。山を覆っていた氷河が26日、広い範囲で崩壊し、岩肌がむき出しの状態に。氷と岩が混ざり合い、滝のように下流の地域へ流れ落ちていった模様です。その先にあったのが、先ほどの国境検問所でした。
凄まじい勢いを持った土石流は、さらに下流へと流れ、氷河の崩落地点から直線距離で少なくとも100キロの所でも被害が確認されています。被害の全容はまだ分かっていません。
犠牲者の数は増え続けています。中国側の発表は死者3人、行方不明558人。ネパール当局は死者359人、行方不明は910人、そのうちの517人が外国人としています。
水害のあったチベット自治区とネパールの国境付近は、様々な宗教の聖地があります。“世界一美しい渓谷”とも言われ、トレッキングでも人気のエリアです。それゆえに多くの観光客が巻き込まれたとみられています。その中には日本人も。
「5人は家族です。チベットからネパールに入ったところでした」
5人は家族とみられ、チベット側からネパールに入ったところで連絡が途絶えたといいます。現地ではモンスーンの影響で天候が不安定になっていて、再崩落もあるのではないかという懸念も高まっています。
氷河崩落で土石流 原因は
大規模な土石流のきっかけとなったのが“氷河の崩落”とみられています。なぜこれほどの勢いとなったのか、いくつか見方があります。
地元の研究機関は、氷河が崩落した後、氷河が川をふさいで大量の水がたまった。それが決壊し、急激な水の放出、つまり土石流を引き起こしたと分析しています。
氷河学の専門家は、標高5200メートルで氷河が崩落し、約1200メートル落下。落下した勢いで、それ自体が周辺の泥や岩石を巻き込んで土石流になり、下流を襲ったのではないかとみています。