英フィンテック「Revolut」の利益が2000億円に倍増、顧客数も5000万人に急拡大(Forbes JAPAN)
ロンドンに本拠を置くフィンテック企業Revolut(レボリュート)は、2024年の利益が前年比148%増となり、顧客数も5250万人に急増した。同社共同創業者兼CEOのニック・ストロンスキーは、「画期的な年となった」と述べた。 これにより、2015年創業のレボリュートの税引前利益は14億ドル(約2000億円)と前年から拡大し、4年連続の黒字を達成した。同社が4月24日に公表した年次レポートによると、売上高は前年比72%増の40億ドル(約5700億円)だった。 増収の最大の要因は預金から得た10億ドル(約1440億円)の利息で、2023年から58%増加した。カード決済手数料は、8億8700万ドル(約1280億円)だった。一方、レボリュートの事業で2024年最も成長した部門は資産管理事業だ。顧客が暗号資産取引を利用するケースが増加したことで、売上高は前年比298%増の6億4700万ドル(約930億円)に達した。 「この業績を受け、我々は欧州で最も価値のある非上場のテクノロジー企業との評価を得た。このことは、既存と新規の投資家による当社の成長性に対する信頼を反映している。しかし、我々のビジネスはまだ始まったばかりだ」とストロンスキーは語った。 彼はまた「100カ国で1億人の顧客にサービスを提供する」という目標に向けて着実な進展を遂げているとも述べている。レボリュートの報告書によると、ストロンスキーは4月の株主構成の再編に伴って同社への出資比率を増加させており、現在は直接・間接を含め、25%を超える株式を保有している。 2024年実施したセカンダリー株式売却でレボリュートの評価額は450億ドル(約6兆4800億円)に達し、CoatueやDurable Capital Partners、Dragoneer、Fidelity、Baillie Gifford、Goldman Sachs Alternatives、D1 Capital Partners、Mubadala、Affinity Partnersなどからの出資を獲得した。3年前の評価額は、330億ドル(約4兆7500億円)だった。 英国の健全性監督機構(PRA)は2024年7月、レボリュートに制限付きで英国の銀行免許を付与した。同社は4月24日、2025年内に英国で銀行業を開始することを優先課題として進めていることを明らかにした。この免許の取得により、同社は顧客から預金を受け入れることに加えて、クレジットカードや個人ローン、住宅ローンなどの融資商品を提供できるようになる。 ■上場は検討していないと明言 レボリュートは、ストロンスキーとヴラド・ヤツェンコによって2015年に設立され、デジタル決済と送金サービスを提供している。2人は、カナリー・ワーフにあるテックアクセラレーターで同社を立ち上げる以前に複数の投資銀行で勤務した経歴を持つ。 レボリュートの従業員数は1万133人で、月間9億4000万件の取引を処理している。同社の急速な成長と野心的な拡大計画を受け、ロンドン市場かニューヨーク市場で上場する可能性が指摘されているが、同社の年次レポートは、この点については何も触れていない。 「当社は、株式の上場の検討よりも、事業拡大の継続と新規商品の開発に専念しており、グローバルで拡大する顧客基盤に対してより高品質で安価なサービスを提供することを目指している」と、レボリュートの広報担当者は語った。
Robert Olsen