「ユニホームは変わりましたが、東北への思いは変わりません」東日本大震災から14年 巨人・田中将大、第2の故郷への思い語る
巨人・田中将大投手(36)が発生から14年を迎えた東日本大震災への思いを語った。仙台を本拠地とする楽天時代に震災を経験。自ら被災地に足を運び、ヤンキース移籍後も積極的に支援してきた。忘れてはいけない特別な一日。当時を思い返し、丁寧に言葉を紡いだ。
「2011年3月11日は楽天でプロ5年目のシーズン開幕を迎えようとしていた時期でした。宮城に戻り、訪れた被災地の光景は今でも忘れられません」
東北のために。その思いで腕を振り続け、13年には24勝0敗の日本新記録を樹立。ギネス記録にも認定された開幕24連勝で球団史上初のリーグ優勝、日本一の原動力となり、震災から2年が経過した被災地に感動と希望を届けた。プロ19年目を迎える今季は新天地で再出発する。選んだチームは、13年日本シリーズで第7戦までもつれる激闘を繰り広げた巨人だった。
「東北の皆さんに何とか勝利を届けたい、何かを感じていただけるプレーをしたいという思いで戦い、日本一になった2013年。その時の日本シリーズで対戦した相手でもあるジャイアンツで今シーズンを迎えます」
「これからも」 日米通算197勝を挙げるまで自身を押し上げてくれたのは、第2の故郷・東北のおかげだと感じている。だからこそ、被災地への思い、使命感が薄れることはない。
「ユニホームは変わりましたが、僕を育ててくれた東北への思いは変わりません。震災を風化させないために、これからも自分に何ができるのかを考え、行動していきたいと思います。プロ19年目も一試合一試合、一球一球に気持ちを込めて投げていきます」
キャリア初の0勝に終わった昨季から大逆襲を期す今季。春季キャンプからフォーム改造など順調な調整を続け開幕3戦目、30日のヤクルト戦(東京D)の先発に内定。変わらぬ思いを右腕に込め、復活ロードを東北に届ける。(堀内 啓太)
◆田中将の「3・11」への思い ▽11年 被災地を回り「言葉にならなかった」。自ら兵庫・三ノ宮駅街頭に立って募金活動を行い、4月2日の12球団チャリティーマッチでは斎藤佑樹(日本ハム)と募金箱を持って支援タッグを結成。本拠地開幕戦の4月29日オリックス戦は「何としても絶対に勝たないといけない試合だと思って投げた」と1失点で完投勝利。その後当時キャリアハイの19勝。 ▽12年 3月に宮城県南三陸の漁業組合に、前年獲得した沢村賞の賞金300万円を寄付。 ▽13年 1月に前田健太、坂本勇人ら1988年度生まれの同世代選手に声をかけ、仙台市内で被災した野球少年353人に野球教室。シーズンではプロ野球新の開幕24連勝(0敗)。球団史上初のリーグ優勝、日本一に貢献し、被災地に希望を届けた。 ▽17年 ヤンキース移籍(14年~)後も自ら発案してオフの小学校訪問などを継続し、「発信し続けないと」。
▽21年 8年ぶりにNPB復帰。震災から10年の節目に古巣・楽天を復帰先に選ぶ。「10年という数字は自分にとって意味のあるタイミングだと思ったので、この決断に至った」