日経平均、目先スピード調整か。決算好調、高市政権への期待高まるもテクニカル弱め(窪田真之)
先週(営業日11月10~14日)の日経平均株価は、1週間で100円(0.2%)上昇して5万0,376円となりました。とはいえ、先週は5万円台の上値の重さを感じさせる展開でした。一時戻りを試す形で5万1,497円まで上昇しましたが、そこから5万0,376円まで売られました。先週の日経平均は以下の通り、「ローソク足」で見ると「上ヒゲを出した陰線」です。
<日経平均週足:2025年1月6日―2025年11月14日>
出所:楽天証券MSⅡより作成
ファンダメンタルズ面で好材料が増えているものの、テクニカル分析【注】からは、相場が調整局面に入る可能性が示唆されています。相場を主導している外国人投資家の積極的な買いが減り、日経平均5万円台では売りが出やすくなっていることが、日経平均のチャートに表れています。
【注】テクニカル分析 株価チャートの形状や売買高の変化に基づき、将来の値動きを予測する方法。
上の日経平均チャートで注目すべきテクニカル上のシグナルは以下の通りです。
【1】2025年3月「デッドクロス」:13週移動平均線が26週移動平均線を上から下へ抜ける 外国人の売りが増え、日経平均がさらに下落する可能性が出ていることを示唆
【2】2025年4月「長い下ひげ」:急落の直後に急反発 外国人の売りが止まり、買いに転換しつつあることを示唆
【3】2025年7月「ゴールデンクロス」:13週線が26週線を下から上へ抜ける 外国人買いの勢いが強く、日経平均の上昇が続く可能性を示唆
【4】2025年11月「大陽線を大陰線で打ち消し」 上昇が続いてきた日経平均に転機が訪れる可能性を示唆
【注】テクニカル分析の使い方 テクニカル分析は将来の株価予測に役立ちますが、当たることも外れることもあります。テクニカル分析は、現時点での「買い手の勢い」「売り手の勢い」、あるいは「両者の均衡状態」を示すものであり、絶対的な将来予測を保証するものではありません。売り手と買い手の力関係は、新しい材料が出ると変わることがあります。
外国人の買いが減少、売り転換の可能性も
チャートに表れているのは、需給の変化です。相場を主導している外国人が、買いから売りに転換するかもしれないことが、示唆されています。
<トランプ関税ショック後の日経平均と外国人投資家の売買動向(株式現物と先物合計:2025年3月24日―11月14日(外国人売買動向は11月7日まで)>
出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成
日経平均はトランプ関税ショック後、外国人投資家の買いで上昇してきました。ところが、足元は買いが減少してやや売り越しとなっていることがわかります。
ファンダメンタルズは足元良好
テクニカルに見て、日経平均に弱めのシグナルが出ていますが、ファンダメンタルズは引き続き良好です。
【1】高市政権の成長戦略への期待続く 【2】米国・日本および世界中でAIによるビジネス革新続く 【3】7-9月の東証プライム決算は良好 【4】米中貿易戦争は一時休戦 【5】トランプ関税がエスカレートする可能性やや低下
【6】日米とも緩和的な金融環境が継続
一方、最大の悪材料は、日米ともに株価上昇ピッチが速く、株価に過熱感があることです。日米とも、特にAI関連株の過熱感が気になるところです。
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