米J&J、ベビーパウダー訴訟で最大55億ドルの和解案を提示

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米健康関連用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は27日、ベビーパウダーなどタルク(滑石)を含む同社製品が卵巣がんを引き起こしたとしてアメリカで起こされた数万件の訴訟をめぐり、最大55億ドル(約9000億円)を支払って和解すると発表した。

米ニュージャージー州に拠点を置くJ&Jはこの画期的な和解案によって、長年の重荷だった法廷闘争を終わらせたい考え。

J&Jは、タルクを原料とする同社製品ががんを引き起こしたとの見方を否定してきた。一方で、利用者の多いベビーパウダーの原料を変更した

J&Jによると、今回の和解は約6万9000件の訴訟が対象で、タルクに関連した係争中の訴訟のほとんどに当たる。来年、最大30億ドルを支払い、追加の支払いは2028年までないという。

この和解案は、州および連邦の裁判所に提起された、卵巣がんをめぐる訴訟の95%で代理人を引き受けている法律事務所の承認を得て、最終的なものとなる。

ハース副社長は声明で、J&Jのこれまでの裁判の大半と同じように、「裁判を進めれば最終的には(同社が)勝訴した」はずだと確信していると説明。

今回の解決案によって、「当社はこの問題を過去のもの」とし、「人命を救う医薬品や機器の開発という使命に集中し続ける」ことが可能になると付け加えた。

北米以外の地域におけるJ&Jのベビーパウダーに関しては、J&Jで消費者向けヘルスケア事業を展開していたケンビューが責任を負っている。

ケンビューは2022年にJ&Jから独立しており、バンドエイド、リステリン、カルポールなどの有名ブランドを所有している。

アスベストで汚染されていると原告

タルクを原料とするベビーパウダーをめぐってJ&Jを訴えた裁判は、2009年には始まっていた。

その一つでは、連邦裁判所が今月、タルクを卵巣がんの直接原因だと個々の原告が証明できるのか疑問視し、J&Jにとって有利な判決を出している。

タルクはマグネシウム、ケイ素、酸素、水素からなる天然鉱物。せっけんのような感触が特徴で、ベビーパウダーによく使われる。

J&Jは、タルクを原料とした同社製品が石綿(アスベスト)で汚染されており、がんを引き起こしたと主張する消費者やその遺族らから訴訟を起こされている。

タルクは地中から採掘され、発がん性物質とされるアスベストと近い層で発見される。

J&Jは健康被害の訴えについて、繰り返し否定している。最新の発表では、「タルクは安全で、アスベストを含まず、がんを引き起こしてもいないと、研究で示されている」としている。

J&J は2022年、タルクを原料とするベビーパウダーの製造と販売を世界中で中止すると発表した。

この発表は、同社がアメリカでこの製品の販売を終了してから2年以上たってから行われた。

J&J は当時、「世界的な製品ラインアップの評価の一環として、すべてコーンスターチを原料とするベビーパウダーのラインアップに移行するという商業的な決断をした」と説明した。

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