トランプ氏、鉄鋼・アルミ関税50%に引き上げ表明 6月4日から

トランプ米大統領は30日、ペンシルバニア州ピッツバーグ郊外の製鉄所で、鉄鋼の輸入関税を2倍の50%に引き上げると表明した。写真は5月30日、ペンシルバニア州ウェスト・ミルフィンで撮影(2025年 ロイター/Leah Millis)

[ウェストミフリン(米ペンシルベニア州) 30日 ロイター] - トランプ米大統領は30日、ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外の製鉄所で、輸入される鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税を2倍の50%に引き上げる計画を表明した。6月4日から実施されるという。

「鉄鋼に対する追加関税を25%から50%に引き上げる。これにより米国の鉄鋼産業の安全がさらに強化される」と述べた。

日本製鉄(5401.T), opens new tabとUSスチール(X.N), opens new tabのパートナーシップに関する演説で表明した。トランプ氏は、合意は関税引き上げと同様に米国の鉄鋼労働者の雇用維持に役立つと述べた。 もっと見る

トランプ氏は後に、関税引き上げはアルミニウムも対象になると表明。自身のSNSに「米国の鉄鋼・アルミニウム産業はかつてないほど回復しつつある」と投稿した。

関税引き上げ表明を受け、時間外で鉄鋼メーカーのクリーブランド・クリフス (CLF.N), opens new tabの株価は利益押し上げの期待から26%急騰した。
鉄鋼関税引き上げは貿易戦争をさらに激化させる可能性がある。この数時間前、トランプ大統領は中国が相互関税引き下げのほか重要鉱物の取引に関する合意に違反したと主張し、中国に厳しい措置を取る可能性を示唆した。 もっと見る

トランプ大統領は1月の就任後、苦境に立たされている業界支援の最初の措置として、鉄鋼とアルミニウムに対する追加関税を25%に引き上げ3月に発効した。トランプ氏はカナダ産鉄鋼に50%の関税を課す可能性を示唆したこともあったが、最終的には撤回した。

通商拡大法232条に基づく自動車や鉄鋼・アルミニウムに対する関税の対象には、多様な原材料の金属とその派生製品が含まれる。

米国際貿易委員会のシステムを通じて取得した国勢調査局のデータによると、2024年は289製品の輸入総額が1473億ドルにのぼり、そのうち約3分の2がアルミニウム、3分の1が鉄鋼となっている。

対照的に、トランプ大統領が1期目の18年に中国の工業製品に課した最初の2回の懲罰的関税の年間輸入額は500億ドルだった。

米商務省によると、米国は欧州連合(EU)を除くと世界最大の鉄鋼輸入国で、24年の輸入量は2620万トンにのぼる。新たな関税は鉄鋼価格を上昇させ、業界と消費者の両方に打撃を与える可能性が高い。

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