「オーマイガー」 マキロイの一打にシェフラーが絶望→喜びのワケ

◇米国男子プレーオフ最終戦◇ツアー選手権 初日(21日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7440yd(パー70)

ロリー・マキロイ(北アイルランド)がミラクルバーディで多くの人を幸せにした。最終18番(パー5)、グリーン右手前のバンカーから放った第3打はまさかの“ホームラン”。ボールがグリーンを大きくオーバーしていくのを見て、絶望的な気分になったのは同伴競技者のスコッティ・シェフラーだった。

プレーオフシリーズは直前のポイントランキングで上下の選手が同じ組になるのが恒例。1位のシェフラー、2位マキロイの最終組は後半、空に立ち込めた雷雲から逃げるようにプレーしていた。自身のキャディであるテッド・スコットに「今にもやってくるぞ」と言われたシェフラーは、観客席に向かって飛ぶパートナーの打球に思わず、「オーマイガー。これじゃ終われないぞ」とがく然。救済の処置などで進行が遅れ、ホールアウトできないと直感した。

ところがその瞬間、ボールはスタンドで跳ね返り、まさかのグリーンオン。ピン手前6mで止まり、マキロイがこのスライスラインをねじ込んでしまったから会場は揺れた。雨雲に向けてガッツポーズのグランドスラマー。「めちゃくちゃラッキー。決まっていなければ(きょうは)ホールアウトできなかったかもしれなかった。(バンカーショットは)当たりが薄くて思った以上に速く飛び出してしまった。なにか起これ!と願ったんだ」と4アンダー8位で上がり、笑顔を見せた。

そして、2年連続の年間王者へ7アンダー2位発進を決めたシェフラーも「球がグリーンに戻ってくるのを見て安心した」と喜んだ。雷雨により、わずか1打、2打を残すようなサスペンデッドを免れ、「チーム戦の仲間のプレー以外で、あんなに誰かのボールが跳ね返ってくるのを祈ったことはないよ」と明かす。2人がホールアウトして数分後、猛烈な雨が1時間近くコースをたたいていた。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)

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