消費支出、3月は2.1%増で予想上回る 節約志向で食料マイナス

 5月9日、総務省が9日発表した3月の家計調査によると、2人以上の世帯の実質消費支出は前年比2.1%増となった。都内で2024年8月撮影(2025年 ロイター/Willy Kurniawan)

[東京 9日 ロイター] - 総務省が9日発表した3月の家計調査によると、1世帯(2人以上)当たりの消費支出は33万9232円で、物価変動の影響を除いた実質で前年比2.1%増加した。前月の0.5%減からプラスに転じ、ロイターがまとめた市場予想の0.2%増を上回った。

項目別では、授業料など教育支出が前年比24.2%増を記録し、最も押し上げに寄与した。これに光熱・水道代の7.2%増、教養娯楽の5.1%増が続いた。半面、価格が高止まりしているコメ、野菜などの食料は前年比0.7%減と、6カ月連続のマイナスだった。

食料への消費支出について総務省担当者は「根強い節約志向がみられる」と説明した。

同省によると、2月に続き気温が低く推移したことが光熱代やエアコンを含む家庭用耐久財の需要を高めた可能性がある。電気代は10.6%の大幅増で、1月に復活した政府の電気・ガス料金補助や、2月使用分の料金支払いに押し上げられたとみられる。エアコンへの支出は34.4%と大きく伸び、家庭用耐久財を含む「家具・家事用品」が3.3%増と7カ月ぶりにプラスに転じた。

来週16日には1─3月期実質国内総生産(GDP)が発表される。内需の柱となる個人消費の指標は市場から注目されている。

農林中金総合研究所の南武志・理事研究員は、消費は旅行・飲食などのサービスを中心に年明け以降回復傾向にあるが、自動車など財の消費は依然弱いと指摘。1─3月GDPにおける個人消費は前期比横ばいと予想している。先行きについては「トランプ米大統領の関税政策が日本の輸出企業にどう影響するかによるだろう」とした。

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