区長も反応した豊島区のごみだらけ民泊マンションに再訪 記事公開から1カ月後の今 現着しました!

問題の民泊マンションの集積場。回収前夜にはすでにごみで埋め尽くされていた(※一部画像を加工しています)

訪日外国人(インバウンド)が利用する一部の民泊ではごみや騒音などを巡り、近隣住民との間であつれきが生まれている。産経新聞は先月、その中でも複数の事業者が入り乱れ、行政も手を焼く東京都豊島区内の1棟のマンションについて取り上げた。野放図に積み上げられたごみの山の写真にSNSでは反応が相次ぎ、豊島区長自らもコメントを投稿。それからおよそ1カ月、再び現場を訪れてみると、そこには問題の根深さが残されていた。

大部分はルール順守

JR山手線の某駅から歩いて数分。住宅や商店街が広がる地域に、そのマンションはある。豊島区は住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づき、届け出を行った1800を超える住宅を掲載したリストをウェブ上で公開しているが、それによると、この建物内には10を超える民泊事業者が入り、30超ある部屋のうち、実に21部屋が民泊として稼働していると記録されていた。

日本に拠点を置く外国人の大部分は社会のルールを順守して真っ当に生きている。ただ、このマンションで民泊を営む人々は、残念ながらそうではないらしい。ある朝、通りに面したごみ集積場には民泊から出たとみられるごみが大人の背丈ほど積み上げられ、一部は崩れて歩道にはみ出していた。

区の保健所によると、これまで何度も指導に入ってはいるものの、どの事業者からも「ごみを出したのはうちじゃない」としらを切られてしまい、らちが明かないのだという。そもそも、「事業系有料ごみ処理券」も貼らずに、家庭ごみを扱う集積場にこれらを置くこと自体がルールに反している。

警告文もむなしく

先月14日、この異常な事態を産経新聞が取り上げたところ、SNS上では、事業者らに対する多くの批判的な意見が寄せられた。豊島区の高際みゆき区長もまた危機感を覚えたのか、記事がウェブにアップされた当日に「まもなく相当数の事業者に対し、業務改善命令を発出予定」などとするコメントをX(旧ツイッター)に投稿した。

それから区の動きは速かった。まもなく、マンションのごみ集積場には「お願い 民泊のごみは出さないでください」の警告文が掲示され、英語と中国語でごみの日を知らせる注意書きも加わった。「違法投棄是犯罪(違法投棄は犯罪です)」という強めのメッセージもみられる。

いつも現場を通りかかるという地元に住む40代の男性会社員は、集積場に変化があった先月、「民泊の事業者も、これで自分たちに向けられている目を理解したはず。改善してくれるといいのだが」と、かすかな希望を見いだしていた。

だが、こうした地域住民の思いは裏切られつつある。写真は4月中旬、夜間の集積場のようすをとらえたものだ。この翌日は可燃ごみの日だったが、朝に収集車がやってくる10時間以上前からこの状態。新たに設置された警告文は意味をなしていなかった。

気温上昇で異臭が

区の関係者は「われわれは、事業者から届け出があれば明らかな条件不足などがないかぎり、断るすべがない」と、民泊事業に対する規制の限界を吐露する。

高際区長は先のXで「(業務改善命令に)従わない場合は、1年間の業務停止命令、業務停止命令を受けながら営業を続けた事業者には廃止命令を出す」と踏み込んだ。だが廃止させたところで、同じ事業者が名前を変え、再び届け出を行う恐れも指摘されている。

春を迎えて気温が上がり、集積場付近には強い異臭が漂うようになった。「これからの季節、ますますひどいことになる」。前述の男性がつぶやいていた。

「民泊」複数事業者の21部屋ひしめくマンション…ごみ山うずたかく 東京・豊島区

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