南太平洋の島国に中国が熱視線 「家族」との摩擦生む海底の利益
陸の重要鉱物を実質的に支配する中国は、海の資源に網を張ることにも抜かりない。
人口2万人に満たない太平洋の島国クック諸島が、海底鉱物資源の開発をめぐる大国間競争の舞台となっている。
マーク・ブラウン首相は、自国の経済水域にある鉱物資源を「経済を変革する好機」と位置づけ、開発を進めるために中国と米国をてんびんにかける外交を展開。毎日新聞の取材に「私たちに重要なのは、開発パートナーとの関係を多様化させ、特定の一国に依存しないことだ」と強調した。
海底の鉱物資源に世界的な関心が高まっています。各国の動きや思惑を追います(全4回の第3回) 第1回・採掘「立ち止まる」判断 第2回・米国の抜け駆けに切迫感 第4回・「レアアース大国」目指す日本=2日午前6時公開予定
世界生産量の数十年分が眠る水域
クック諸島海底鉱物庁の推定によると、同国の排他的経済水域(EEZ)には67億トンのマンガン団塊が存在する。ニッケルやコバルト、銅などの重要鉱物を豊富に含み、コバルトだけでも現在の世界の年間生産量の数十年分に相当するとの推計もある。一国の経済水域の潜在量としては最大規模とみられる。
電気自動車や蓄電池、半導体の製造に欠かせない重要鉱物をめぐっては、中国が採掘から精錬、加工までサプライチェーン全体で強い支配力を築いている。
西側の企業が採算性や政治リスクなどを理由に投資を控えたアフリカや中南米の鉱山でも、中国企業は手厚い政府支援を受けながら権益の取得を進めてきた。
鉱山事業における人権侵害と環境破壊に対する批判は絶えないが、半導体や防衛産業に不可欠なガリウムやゲルマニウムなどの輸出規制は、強力な外交カードだ。陸上の鉱物資源における中国の支配力への危機感が、各国を海底採掘に向かわせる動因となっている。
「家族」は猛反発
中国は海底鉱物資源にも触手を伸ばす。国際海底機構(ISA)から複数の探査鉱区を取得し、有人潜水艇の独自開発を含めた探査技術を強化してきた。
クック諸島と2025年2月に結んだ包括的なパートナーシップ文書には、経済・インフラ開発に並んで海底鉱物資源の開発における協力も盛り込まれた。
南太…