地球に落ちてくる「スターリンク」。今年はすでに500基近く墜落

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このペースで大気圏に燃えカス撒き散らしてたら地球どうなっちゃうんだろ…。

最近は、製品寿命と磁気嵐影響が重なったせいか、人工衛星「スターリンク(Starlink)」がよく落ちてくるようです。

半年で500基が大気圏再突入

イーロン・マスクの宇宙開発企業SpaceXが米連邦通信委員会(FCC)に今月提出した最新データによると、2024年12月から2025年5月の半年間に大気圏再突入して炎上したスターリンクは計472基で、前の半年間の73基から急に増えちゃっているんですね。

人工衛星はこんなに増えてる。圧倒的大多数を占めるのがStarlink(緑)Image: Jonathan's Space Pages

スターリンクの製品寿命は5年で、初打ち上げが2019年なので、第1期生が無事周回軌道を外れて地球に還ってきたと思えば予想の圏内なのですが、低軌道周回中の現役人工衛星約1万基のうちスターリンクは7,750基(ソース:人工衛星とデブリの数を追跡する宇宙物理学者Jonathan McDowellさんのサイト)を占める大きなパイだけに影響は計り知れません。

しかもこれはまだ序の口で、SpaceXがFCCから打ち上げを許可されている衛星は計12,000基で、将来的には42,000基の打ち上げを計画中。ジェフ・ベゾスの宇宙開発企業BlueOriginも類似の衛星コンステレーションで対抗するようだし、2030年までには10万基に増えるという予想もありますしね。

一応、SpaceXは「燃え残りが堕ちてきて人にぶつかる可能性は、1億分の1未満だ」と安全性を訴えているんですが、気象学者が懸念しているのはそういう問題じゃなくて、地球のずっと上空で起こっている変化です。

宇宙ゴミを増やし続ける人々

実際、成層圏に浮遊する金属片は増加する一方だし、衛星炎上で放出される酸化アルミニウムのナノ粒子は2016年から2022年にかけて8倍に増えています。昨年10月には影響がわかるまでこれ以上の衛星打ち上げは禁じて欲しいという公開質問状が研究グループからFCCに提出されているのですが…。

世界中でネットがつながるのはありがたいことなのですが、何をトレードオフして手に入れた利便性なのかがわかる頃にはもう手遅れになってる嫌な予感がします。外れてくれるといいな。

Sources: CNET, Jonathan's Space Page

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