“住所さらし”で立花孝志氏に賠償命令、初めて反撃した選挙ウォッチャーちだい氏勝訴…東京地裁

自宅の住所が記載された裁判の判決文の画像をインターネット上に公開されたことで、精神的苦痛を受けたとして、フリージャーナリストの選挙ウォッチャーちだい氏が、「NHKから国民を守る党」代表だった立花孝志氏に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(森健二裁判長)は3月26日、立花氏に30万円の支払いを命じた。

ちだい氏は判決後、「問われるべき立花氏の責任を問うことができてよかった」と話した。

●敗訴を知らせるSNS投稿で住所を公開

判決文によると、立花氏は2025年9月28日、ちだい氏が訴えられた別の裁判の判決文の画像をXに投稿した。その画像では、裁判の当事者のうち、ちだい氏の本名や住所だけがマスキングされていない状態だった。

ちだい氏は、立花氏が支持者による嫌がらせが起きることを認識しながら、あえて住所を公にしたと主張。平穏に生活する利益が侵害されたとして、慰謝料300万円を求めて提訴していた。

●東京地裁「嫌がらせがおこなわれることを期待した」

一方、立花氏側は、ちだい氏の住所は会社の登記事項証明書や第三者のブログにも記載されており、「当時から広く一般に知られた情報だった」などと反論した。

しかし、東京地裁の森裁判長は「住所は、自己が欲しない他者にみだりに公開されたくないと考えることが自然な情報である」と指摘。

そのうえで、投稿当時、ちだい氏の住所は「広く第三者に知られていたり一般に公開されたりしていなかった」と認定した。 さらに、立花氏が過去にも同様の行為をしていたことなどから、今回の投稿について「ちだい氏に苛烈な嫌がらせがおこなわれることを期待したことのほかには考えられず、その旨に認定するのが相当である」と判断した。

著名人である立花氏の投稿によって、ちだい氏が再び激しい嫌がらせを受ける可能性が生じたとして、「精神的苦痛は、とうてい社会通念上受忍すべき限度内にあるとはいえない」とし、不法行為にあたると結論づけた。

●「みんなでつくる党」ボランティア男性が自殺

判決が認定した、立花氏による過去の同様の行為は次の通り。 ・2019年5月ごろまでに、立花氏がちだい氏の住所をXに投稿したことを契機に、ちだい氏宅に大量のパンフレットや代引き商品が届くようになったこと。

・立花氏が2023年4月13日、「みんなでつくる党」の大津綾香氏の住所をYouTubeチャンネルで明らかにしたことを契機に、大津氏の自宅に大量のパンフレットや代引き商品が届くようになったこと。

・立花氏が2025年1月26日、「みんなでつくる党」のボランティアスタッフをしていた男性の住所をXに投稿したことを契機に、男性が自宅周辺を徘徊されるなどの嫌がらせを受けるようになった挙句に自殺し、同年4月以降、立花氏が対立者の住所をネット上に公開することの社会的影響について大手マスメディアが報道するようになったこと。

●初めて原告として立花氏を提訴

ちだい氏は判決後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、「立花氏自身は逮捕されたが、N国党の信者による住所さらしは今も続いている。また、こうした住所さらしは一般のネット社会でも起きているので、今回の判決によって、実際にこうして賠償を命じられることになると伝えられる」と語った。

また、ボランティアスタッフの男性が、立花氏を訴えている最中に自死したことにも触れ、「志なかばで亡くなり、本来は立花氏の責任が問われるべきことが、自分の中で引っかかっていた」と説明した。

これまで立花氏から多くの訴訟を起こされても、ジャーナリストとして言論で対抗してきたが、男性の死を受けて、今回初めて原告として立花氏を提訴したという。

●代理人「極めて意義深い判決」

ちだい氏の代理人をつとめる石森雄一郎弁護士は「この判決は、単純にプライバシー侵害があったということだけではなく、過去の立花氏の犬笛によって生じた損害を認定して、ちだい氏への嫌がらせが起きることを立花氏が期待してやっているんだということを認定した点で、極めて意義深い」と評価した。

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