NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報
NHK(日本放送協会)が11月18日に受信料未収対策を大幅に強化する方針を示したことが波紋を広げている。受信料を財源とする放送機関として制度維持を図る狙いがあるが、未収件数はこの5年間で急増し、2024年度末には174万件へと膨らんだ。支払率も78%に落ち込み、従来の営業施策だけでは改善が見込めないと判断したことから、NHKは本部内に「受信料特別対策センター」を設置し、支払督促による民事手続きを拡大する体制に踏み切った。
インターネット広告やダイレクトメール、番組内での告知、インフラ企業との連携、対面説明など、NHKは制度周知と支払い促進のために多様な施策を展開してきた。しかし未収は増え続け、長期未払い世帯の増加に歯止めがかからない状況が続いた。
こうした背景のもと、新設した受信料特別対策センターには弁護士と営業担当者が配置され、全国の放送局と連携して督促の申立てを一気に拡大する方針を示した。NHKは「丁寧な説明を尽くしても支払いの理解が得られない場合の最後の手段」と強調するが、2025年度下半期の支払督促申立件数は2024年度の10倍を超える見通しで、法的措置への移行はさらに高まりそうだ。
一般家庭では、どの段階で法的措置に踏み切るのかという点が注目を集めている。これについてNHK広報局は、文書や電話、訪問など複数の手段で支払いを求めたうえで支払督促を申し立てると説明し、督促状の送付回数や訪問頻度などの基準は設けていないとした。個別の事情を総合的に判断するため、画一的な運用は行っていないようだ。
「民事手続きは、受信料制度の意義や公共放送の役割を丁寧に説明したうえで、それでもなお、お支払いいただけない場合の最後の手段として実施しています。文書や電話、訪問によるお支払いのお願いを繰り返し実施した上で、支払督促の申立てを行いますが、回数などの基準は設けておらず、個別の事情を総合的に勘案して、実施の可否を判断しています」
NHKにより督促強化が発表された一方で、訪問活動の実態への不安もいまだに目立つ。ネット上では「受信機がないと伝えても訪問が続く」「不在時の訪問回数が多すぎる」「帰宅を待ち伏せされたように感じた」などの声が上がり、過度な接触ではないかという疑念も見られる。NHKは「担当者の訪問・面接時のマナーや丁寧な説明については、職員より指導を実施しています」と回答したが、訪問回数の上限や待機行為の禁止など、具体的なガイドラインの存在については明らかにしていない。
さらに、今回の督促強化方針を受けて、制度そのものに対する不満や疑問がネット上で改めて噴出している。ネット上にあがっている意見には次のようなものがある。
- NHKが受信料の確保にあらゆる手段を尽くされている姿勢には、少し疑問を感じてしまいます。かつての放送黎明期における設備投資のための制度としては理解できますが、現代の環境においては、現状にそぐわなくなっているのではないでしょうか。
- 基本的には、視聴を希望される方が費用を負担するという形が、最も自然で理にかなっているように思います。
- 未契約の方への督促を強化する新組織が設立されたというニュースには、正直なところ「そこまで厳しくする必要があるのだろうか」と、少し戸惑いを感じてしまいます。
- 受信料の金額についても、割高に感じられます。あまり視聴しない場合には、サービス内容と負担額のバランスが取れておらず、不公平感を抱いてしまうのは否めません。
- ネット配信での「(簡単には)閉じられないメッセージ」の表示などは、利用者の利便性よりも契約を優先しているように見受けられ、どこか一方的に迫られているような印象を持ってしまいます。
- そもそも、私たち利用者に「選ぶ権利」がない今の仕組みは、公平なサービスといえるのか疑問が残ります。
- 今後の在り方としては、個人の意思で契約するかどうかを選べる「スクランブル化」の導入も、現実的な選択肢ではないでしょうか。徴収方法を厳格にするよりも、まずは「契約の自由」を提示することが、多くの国民の理解と納得を得るために不可欠だと考えます。
これらの意見は、制度に対する単なる不満表明にとどまらず、利用者がどのような点に不公平感や圧迫感を抱いているのかを示している。受信料制度は法的根拠を持つ一方、視聴行動の多様化やネット配信の普及により、受信機を軸にした従来の仕組みが現代に適しているのかという議論が強まっている。
未収対策の強化は制度維持には有効だが、利用者側の不信や疑問に対してさらに向き合わなければ、制度そのものへの支持が揺らぐ可能性がある。受信料特別対策センターによる取り組みが、制度維持と利用者の納得の両立をどこまで実現できるのか、今後も注意深く見ていく必要がありそうだ。
本記事で紹介しているネット上の意見は文脈の変わらない範囲で体裁を整えています。
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