パウエル議長の任期満了で政策シフトか、市場で強まる利下げの思惑

Edward Bolingbroke

  • SOFR先物、26年3月限の売りと同年6月限の買いが活発に

金融市場では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が任期を迎える2026年5月以降に金融政策が変更され、一段の利下げが実施されるとの思惑が強まっている。トランプ大統領は最近、任期満了までパウエル氏を解任しない意向を示す一方、改めて利下げを要求した。

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  今週はこうした利下げの思惑が担保付翌日物調達金利(SOFR)先物相場に顕著に表れた。26年3月限の売りと、同年6月限の買いが活発となっており、これはその間に緊急利下げが実施されるとの見方が強まっていることを示している。

  両月限間のスプレッド取引の出来高は12日に6万枚を超え、過去2番目の規模となった。過去最高は4月9日で、この日はトランプ氏が貿易相手国・地域への上乗せ関税適用を一時停止すると発表し、米金融市場が大きく動いた日だった。CMEグループが提供するこれらの契約の建玉(未決済ポジション)も増加しており、ポジションの解消ではなく、新たな建て玉が積み上げられたことを示唆している。

  パウエル議長の任期最後となる米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は26年4月28-29日で、その次の会合は6月16-17日に開かれる見通しだ。

  トランプ氏はパウエル氏がまだ利下げ要求に応じていないとして繰り返し非難。4月にはパウエル氏の任期が早く終わってほしいとの考えを示しており、トランプ氏が指名する次期FRB議長が就任直後に利下げに踏み切るとの臆測を呼んでいる。

原題:Bets Emerge That End to Powell’s Term Means More Fed Rate Cuts(抜粋)

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