値上げをしないサイゼリヤの株価が急落! 虎の子の中国市場が崩壊か?
■値上げをしないサイゼリヤの株価に異変
4月8日、サイゼリヤが、2026年8月期の連結純利益予想を下方修正したことで、9日の株価は920円安の5,820円で引け、翌10日も売りが収まらない状況が続いている。「値上げをしない」という庶民の味方サイゼリヤの株価に異変が生じているのだ。
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サイゼリヤの2Q決算短信によると、2月のイラン紛争にまで言及しており、外部環境リスクへの記述が通常よりも厳しめのものとなっている。この内容からはエネルギーコストや材料費の高騰が純利益下振れの最大要因であると読み取れるが、果たして本当にそれだけだろうか?
実は、日本国内での同社の業績は、コロナ禍を境に非常に厳しい状況が続いていた。「値上げをしない」という同社のビジネスモデルは、コロナ禍のような緊急事態では利益を上げにくいという状況を作り、一方でそのマイナス面を補填してきたのが、中国市場での好調な業績であったわけだ。
つまり、国内市場の不振にもかかわらず株価が最高値を付けていたのは、中国を中心とするアジア市場での好業績が要因であったと言えるだろう。
■中国市場への依存度が高すぎたビジネスモデル
注目しておきたいのは、サイゼリヤのセグメント利益構成比だ。前年同期はおよそ「日本1:アジア9」という構成比が、今期についてはおよそ「日本4:アジア6」に変化してきたことだろう。
DX化やQRコード注文方式などにより、日本市場は回復を見せたが、アジア市場、とりわけ中国市場での利益率低下が顕著なのだ。
長引く中国の不動産不況は、消費者マインドにボディブローのように効いてきた。そして、今回のトランプ政権のベネズエラ、イラン攻撃は言うまでもなくペトロ人民元化を進めようとした中国をターゲットにしたものであり、中国人の消費者マインドはさらに悪化するだろう。
サイゼリヤのように中国市場への依存度の高い企業にとっては、なんとも迷惑な話ではあるだろうが、中国市場の衰退はそのままサイゼリヤの業績悪化に繋がりかねないのも事実である。
またサイゼリヤはアジア市場において、日本国内同様に低価格戦略をとっているため、値上げという手段をとることは難しい。
ある意味で貧弱であった中国市場への依存度の高いビジネスモデルの崩壊が、株価の急落を引き起こしたと考えるのが論理的だと思われる。
■5,600円前後には強力なサポートラインが!
サイゼリヤの株価は、2月26日に7,220円の最高値を付けたものの、4月10日の引けは5,600円と高値から約22%の下落率となっており、調整入りは避けられない状況だろう。
気になるのは、5,600円前後の水準には強力なサポートラインがあることだ。来週以降このサポートラインをあっさり下抜けていくようだと、さらなる下値追いをする可能性にも注意が必要だ。