ロシア、核開発などイランとの協議巡り米国支援で合意―関係者
ロシアはイランとの意思疎通に関して、トランプ米政権を支援することで合意した。事情に詳しい関係者が明らかにした。具体的にはイランが進める核開発や反米勢力支援に関する協議が含まれるという。
トランプ大統領は2月、ロシアのプーチン大統領との電話会談で、この件に関する関心を直接伝えた。ロシア政府に詳しい関係者によると、数日後に米ロ高官らがこの件についてサウジアラビアで協議した。機密性の高い問題だとして、この関係者は匿名を希望している。
話し合いは初期段階にあり、米国とイランが協議に至っても何らかの成果が期待できるかは不明だ。コメント要請に対し、ホワイトハウスの高官からはまだ返答は得られていない。ロシアおよびイランも公式には肯定も否定もしていない。ロシアと米国は、イランを巡る協議で合意したとインタファクス通信が報じた。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ブルームバーグが送った質問への回答として「ロシアは、米国とイランがすべての問題を交渉によって解決すべきだと考えている」と述べ、ロシア政府が解決のために「全力を尽くす用意がある」と述べた。
イラン外務省のバゲイ報道官は3日の記者会見で、ロシアがイランと米国の仲介を申し出たかという問いに「各国が支援を申し出るのは当然のことだ」とだけ述べた。同省はブルームバーグ・ニュースからの質問には回答しなかった。
2月12日に行われた米ロ首脳電話会談を含め、トランプ氏はプーチン氏と直接やり取りしてウクライナの戦争終結を目指している。
サウジアラビアのリヤドで行われた米ロ高官会合では、イラン問題についてロシアからの支援を模索する米国側の考えについて、ルビオ米国務長官やロシアのラブロフ外相など両国の当局者が協議した。協議の詳細が公になっていないとして、匿名を条件に事情に詳しい関係者が語った。
ラブロフ外相は後にテヘランでイランのアラグチ外務相と会談した際、米国との協議の詳細を伝えたと、アラグチ氏は会談後のテレビ会見で明らかにした。
ホワイトハウスに復帰したトランプ大統領は、イランに関して相反するシグナルを送っている。1期目のような厳しい制裁を通じた「最大限の圧力」政策を復活させたいと述べる一方で、イランとの核平和協定に向けて「直ちに」取り組みを開始したいとも述べていた。
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米国から厳しい制裁を受けているロシアとイランは、ウクライナ侵攻後に通商・エネルギー分野で協力関係を深めている。またイランは、ロシアに無人機を供給しており、実際にウクライナの戦争で使用されている。
カタール大学湾岸地域研究センターのニコライ・コザノフ准教授は「米国とイラン両国は、対話のきっかけとなる建設的な意思疎通の手段を探っている」と指摘。米国とイランが合意に達しても、米国が制裁緩和を申し出る一方で、イランは域内に対する野心的な動きを抑制する「複雑な」内容になるだろうと続けた。
原題:Putin Agrees to Help Trump Broker Nuclear Talks With Iran (1)
(抜粋)