朝ドラ「あんぱん」好演光る河合優実「実際は三姉妹の長女」「ロールパンナがすごく好き」

「あんぱん」で朝田蘭子を演じる河合優実(C)NHK

「アンパンマン」を生み出した漫画家、やなせたかしと妻、暢の夫婦をもとにした物語を描くNHK連続テレビ小説「あんぱん」で、河合優実はヒロインのぶ(今田美桜)の妹、蘭子を演じている。恋を実らせた真面目でしっかり者の蘭子と若き石工、豪(細田佳央太)の悲しい別れが第8週で描かれ、河合の好演が話題を集めた。豪の死を経験した蘭子の思いはどこに向かうのか。朝ドラ初出演の河合が蘭子役への思いを語った。

孤高の存在でかっこいい

「アンパンマン」は、子供のときから親しんでいました。今回「あんぱん」に出演したことで、作品を改めて見ると、ロールパンナがすごく好きになりました。正義と悪の心を併せ持つ設定が面白いですし、孤高の存在でかっこいいですね。蘭子はロールパンナのイメージに近い青色の着物を着ているんですよ。

実際の私は三姉妹の長女。蘭子というよりは、のぶみたいな子でした。猪突猛進な性格でしたし、家の中ではずっとしゃべっていたので、蘭子のように一歩引いて周りを見るタイプではなかったんです。俳優として一人で立たなきゃいけない環境になってからは、冷静な部分が強くなったかもしれません。蘭子は家族が幸せになるように陰で支える人です。ようやく私も、蘭子のような目線を少しずつ持つことができている気がします。

初の朝ドラが蘭子役でよかった

蘭子は朝田家で働く豪ちゃんのことが小さいときから大好きで、同じ家で過ごすうちに、豪ちゃんとは分かり合えるんじゃないかと感じていたのではないでしょうか。第5、6週で蘭子は人を愛することを知り、第8週で豪ちゃんを失います。この経験は蘭子の考えに、ものすごく大きな影響を与え、ずっと〝反戦〟の思いを貫いていくことになります。私は「あんぱん」の脚本を読んだときに、戦後80年の年に、戦争を丁寧に描こうとしていると感じました。初めての朝ドラ出演が蘭子役でよかった。今、あの時代で戦争に「NO」と言える人を演じられたことは、すごく意義があると思います。

豪の戦死で気持ちがすれ違った蘭子(河合優実)=左=とのぶ(今田美桜)(C)NHK

豪役の細田さんとは3回目の共演で、真っすぐに役に取り組んでくださる信頼感がありました。どういうふうに心を通わせ合おうか、本番前からお互い探っているようなところがあって、演じていて背筋が伸びましたね。壮行会のシーンは、言葉を交わさないけれど、私がニコって笑ったら豪ちゃんも笑ってくれて、お互いの思いを交換している感覚でした。

年齢を重ねていく蘭子が楽しみ

まだ実年齢ぐらいまでしか演じておらず、これから年齢を重ねていく蘭子を演じるのが楽しみです。気持ちを言葉にすることが少ない蘭子は、強い信念を持つ人だと感じていただけたらうれしいです。

かわい・ゆうみ>2000年12月19日生まれ、東京都出身。連続テレビ小説への出演は初めて。

連続テレビ小説「あんぱん」

NHK総合 (月)~(土)午前8:00~8:15ほか ★土曜日はダイジェストを放送

NHK BS/NHK BSP4K(月)~(金)午前7:30~7:45ほか

(TVnavi)

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