飼い主が亡くなり、ゴミ屋敷に1ヶ月放置された老犬2匹を保護「この子たちは何も悪くない」壮絶な現場の実態(まいどなニュース)
今回保護されたのは、中型雑種の老犬2匹。「ニシ君」と「ワキ君」と名付けられた。団体によると、もともとは昨年、飼い主から「病気で世話が難しい」と相談があったという。しかし当時はシェルター移転前で受け入れが難しく、「万が一のときは連絡先を伝えてほしい」と話していた。その後、飼い主が亡くなり、役所から「犬が放置されている」と連絡が入った。 写真に写っていたのは、ゴミの中にいる犬たちの姿だった。 「これはすぐにでも行ってやらなと思い、週明けにレスキューに向かいました」
現場は、家の外も中もゴミで埋め尽くされた“ゴミ屋敷”だった。玄関は物で塞がれ開けられず、唯一入れたのは裏口。中に入ると、糞尿にまみれた布団、崩れた床、足場板を渡らなければ進めない状態だったという。 その奥にあったのが、1つのコタツ。 「その中に1匹の子がいました」 警戒してうなっていたが、しばらくすると抱き上げることができた。もう1匹は一度逃げていたものの、戻ってきて同じコタツの中で眠っていたという。そこは、2匹にとって唯一の“居場所”だった。
家の中には「見たことのないサイズのネズミ」もいたという。飼い主が亡くなってから約1カ月。知人が餌を運んでいたものの、劣悪な環境の中で生き延びていた。 「この中でよく生き抜いてくれてたなと」 保護された2匹の体には、強烈なゴミの臭いが染み付いており、3回シャンプーしても取れなかった。さらに検査の結果、深刻な健康状態が明らかになった。1匹は未去勢によるヘルニアで、膀胱が入り込む状態。もう1匹は重度の歯周病や腫瘍(しゅよう)があり、出血も確認された。 現在は手術に向けて体力を回復させている段階だという。
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2匹は推定10歳以上。団体は「正直、譲渡は難しい」としている。 それでも、「痛みがなく、清潔な場所で、ふかふかの布団で、美味しいご飯を食べて、穏やかに過ごさせてあげたい」と話す。
今回のケースについて、団体は強い思いを語る。 「最近は飼い主のいる子の保護が増えています」 理由は病気、引っ越し、経済的困難などさまざま。しかし今回のケースでは、飼い主は連絡先こそ残していたものの、犬たちの生活費は残されていなかった。 「命を迎えるということは、どんな状況でもお金が必要です」 「どうしても飼えないなら、自分に代わって最期まで世話してもらうための費用は残すべきだと思います」 さらに、「『飼わない』『今は飼えない』と判断することも、動物への愛情だと思います」と呼びかける。
現在、シェルターには約90匹の保護動物がいる。 「何度も人に裏切られて、ようやくたどり着いた場所」 そんな動物たちが安心して暮らせる場所を守るため、団体は継続支援を呼びかけている。 「この子たちは何も悪くない」 その言葉が、今回のレスキューのすべてを物語っている。 (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
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