ビットコインは転換点にある?──弱気派トレーダーは9万4000ドルと8万2000ドルでの買い注文を準備(CoinDesk JAPAN)
ビットコイン(BTC)には短期的な上昇材料がなく、テクニカル面の見通しも悪化している。この状況を受け、あるアナリストは市場のパニック売りが発生した場合に備え、より低い価格帯で買い注文を出すことを計画している。 スペクトラマーケッツ(Spectra Markets)社長のブレント・ドネリー(Brent Donnelly)氏はマーケットレポートで「パニック売りが起きた場合、9万4000ドルと8万2000ドルで買い注文を出すつもりだ」と述べた。 「再加速、財政優位性、そしてアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が操り人形であるという私の見解が正しければ、ビットコインは最終的に恩恵を受けるだろう。しかし今日、それは価値の保存手段ではなく、リスク資産のように取引されている。そして一貫した短期的な強気材料は存在しない」。 ドネリー氏は、暗号資産(仮想通貨)財務(DAT)への熱狂、つまり企業が財務資産としてビットコインを採用する動きが冷めつつあり、ビットコインの半減期に関連する季節的要因によって弱気相場へと転じつつあると説明した。 過去のデータによれば、ビットコインの強気相場は通常、半減期から16~18カ月後にピークを迎え、その後1年にわたる弱気相場が続く。前回の半減期が2024年4月に発生したことから、このパターンに基づけば現在の上昇相場は終焉を迎えつつあり、長期にわたる弱気相場が始まる可能性がある。 ただし一部の観測筋は、ETF(上場投資信託)を通じたビットコインの機関投資家による採用が市場構造を変え、半減期サイクルはもはや有効ではないと主張している。現在ではマイナーの資金移動は市場取引高の5%未満に過ぎないからだ。 テクニカル面では、ドネリー氏はビットコインのダブルトップ(弱気反転パターン)を指摘した。 「ジェローム・パウエル(Jerome Powell)FRB議長の『ハト派的』ジャクソンホール講演後の週末の急落は警告サインだった。そして今、BTCはダブルトップを形成している。最初のピークはホワイトハウスでのクリプトウィークの時、2つ目はビットマイン(Bitmine)によるのイーサリアム(ETH)祭りの時だ」と彼は述べた。 先週、ビットコインは11万1982ドルを下回り、ダブルトップの崩れを確定させ、強気トレンドから弱気トレンドへの転換を示した。 その後、価格は典型的なブレイクダウンと再テストのパターンで、現在は抵抗線となったその水準まで反発した。市場はしばしば重要なブレイクダウンポイントを再訪し、売り手の強さを測った上で、より大きな下落を導く可能性がある。 つまり、ビットコインは今まさに転換点にある。前述の水準を明確に上抜ければ、弱気筋の主張は弱まる。一方、下落に転じれば弱気パターンが強化され、さらなる下落の道が開けるだろう。 9月5日金曜日(現地時間)に発表されるアメリカの非農業部門雇用者数(NFP)の報告が決定打になる可能性がある。予想を上回る数値は利下げ観測を弱め、ビットコインを下押しする恐れがある。一部のトレーダーは弱気な結果を予想し、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で割安なBTCプットオプションを買い集めている。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin Crash Brewing? Trader Plans Bids at $94K, $82K for Potential Market Freakout
CoinDesk Japan 編集部