「財務的にでたらめ」伝説の空売り投資家、ストラテジーの高い株価を疑問視(CoinDesk JAPAN)

巨大エネルギー企業の米エンロン(Enron)が2001年に崩壊する前に空売りを仕掛けたことで知られるキニコス・アソシエイツ(Kynikos Associates)の創設者で、伝説的な空売り投資家のジム・チェイノス(Jim Chanos)氏が、ストラテジー(Strategy)に注目している。同氏は、ビットコイン(BTC)購入を続けるストラテジーのプレミアム(上乗せ評価)は、そのビットコイン保有量に対して正当化できないと主張した。 チェイノス氏は、ビットコイン自体にはロングポジションを維持しながらも、ストラテジーの株価が下落することに賭け、同社のプレミアムが縮小することによる利益を狙っている。ショートとは株式を借りて売却し、株価が下がったところで買い戻し、利益を得ることをいう。 同氏は、企業不正や過大評価された企業を見抜くことで知られている。かつて巨大エネルギー企業として知られたエンロンは、巨額の会計不正によって崩壊し、数十億ドルの価値は失われ、経営層は刑務所に送られ、企業スキャンダルの象徴的事件となった。 チェイノス氏は、ストラテジーのエグゼクティブ・チェアマン(会長)であるマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏の金融手法を批判し、転換社債や優先株を発行してビットコイン購入資金を調達していることについて、「財務的にでたらめ」と呼び、株主にとってリスクをもたらすと警告した。ストラテジーは60万を超すビットコインを保有しており、次に続くビットコイン購入企業を圧倒している。 ポッドキャスト番組のウィ・スタディ・ビリオネアーズ(We Study Billionaires)での討論で、チェイノス氏は、ビットコイン・ボンド・カンパニー(Bitcoin Bond Co.)のCEOで、著名なビットコイン支持者であるピエール・ロシャール(Pierre Rochard)氏と対立、純資産価値の約1.9倍にのぼるストラテジーのプレミアムについて意見が分かれた。 チェイノス氏によると、ストラテジーはビットコイン保有以外に独自性を持っていない。つまり、マラ・ホールディングス(MARA Holdings)、ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)、メタプラネット(Metaplanet)など世界中で140以上の企業が同様の財務戦略を取る中、プレミアムは消え去るはずだと主張した。 一方、ロシャール氏は、ストラテジーの大規模なビットコイン保有と先行者利益を大きな強みと見ている。ストラテジーは株主の価値を希薄化させることなく膨大な借り入れが可能であり、投資家はストラテジーをビットコインに対するレバレッジ投資、つまり価格上昇の可能性にかけるコールオプションのように捉えていると述べた。また、トランプ政権下での暗号資産推進政策は業界へのより一層の投資を引き付け、ストラテジーの魅力を高める可能性があると述べた。 チェイノス氏は、直接的にビットコインを保有する方が安全でシンプルだと主張、一方、ロシャール氏はストラテジーの規模は、個人投資家を上回るより効率的なレバレッジを可能にすると反論した。 |翻訳・編集:蓮田光則|画像:ストラテジー社エグゼクティブ・チェアマン、マイケル・セイラー氏(Nikhilesh De)|原文:Jim Chanos Calls Strategy’s Premium 'Financial Gibberish'

CoinDesk Japan 編集部

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