東大も京大も…学長選で意向投票覆す「なぜ」 大学の自治どこへ
東京大の学長選が波紋を呼んでいる。教職員による投票で過半数を得た候補ではなく、学内外の委員で作る「学長選考・監察会議」が投票2位の藤垣裕子・大学院総合文化研究科教授(64)を選ぶという初の逆転劇となったためだ。
東大ではこれまで事実上、教職員による意向投票で学長を選んできたことから、学内からは「何のために投票をやったのか」と反発の声が上がる。
京都大でも1日に投票3位の候補が学長に就任したばかり。日本を代表する最高学府で、何が起きているのか。
最終協議は8時間超
「さまざまな資料、面接、動画に基づいて真剣な協議を繰り返し、責任をもって選んでまいりました」
東大本郷キャンパスで9月29日に開かれた記者会見。東大の学長選考・監察会議の議長を務めた東京芸術大理事で元NHKキャスターの国谷裕子氏は、落ち着いた声で繰り返し強調した。
次期学長選出のプレスリリースが届いたのは前日午後9時半過ぎだった。投票結果を踏まえた最終協議は8時間超に及んだという。
委員16人が投票結果の受け止めを述べ、無記名投票や協議を経て、賛成多数で選出した。
学長選考・監察会議は、学長が任命した民間企業の役員など外部の委員8人と、学部長など内部の委員8人で構成する。4月から8月にかけて、学内で推薦された9人(うち1人は辞退)の候補を資料や面接などを経て5人まで絞り込んだ。
9月上旬に候補5人が動画で所信表明し、9月28日に教職員による意向投票を2回実施。投票権を持つ教授、准教授、講師、課長級以上の職員2583人のうち、約2160人が投票した。
2回目の投票は、1回目の投票で上位3人となった候補を対象に行われ、副学長で工学系研究科教授の染谷隆夫氏が1107票を獲得。藤垣氏の553票にダブルスコアをつけた。
意向投票では、東大で最も大きい学部である工学部系の教授が票を得やすくなる可能性がある。藤井輝夫現学長も工学部系の出身だ。
会見では、意向投票の結果を覆した理由や教職員への影響について、報道陣から質問が相次いだ。
意向投票の意義について問われると、国谷氏は「選考の一つの情報という位置づけ」と説明。藤垣氏は「4分の1には自分のメッセージが届いていることは非常に自信になった。意向投票と乖離(かいり)がみられるとしても、学内のコミュニケーションを充実させることによって乗り越えていきたい…
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