【ジャパンC】強烈な末脚で世代交代へ 京大競馬研の本命はマスカレードボール

まずは東京芝2400mのコース形態をみる。正面スタンド前からスタートし、初角までの距離は約350m。先手争いにおいて内外の有利不利はほとんどない。スタート後はしばらく平坦で、1コーナーから向正面半ばにかけて緩やかに下る。残り1200m付近にわずかな上り坂が設けられているが、それを越えると再度3コーナー中間まで下り。そして最後の直線は高低差2.1mのなだらかな上り坂を持ち、新潟外回りに次いで2番目に長い525.9mとなっている。これが今回のコースレイアウトだ。 短すぎず長すぎない初角までの距離をはじめ、コース形態に大きな特徴があるわけではない。ただ、直線の長い東京芝コースということで、やはり道中でしっかりと脚を溜め、最後に速い上がりを使える差し脚確かな馬が有利となっている。中央競馬を代表する主要コースらしく、各馬のポテンシャルが最大限発揮されやすい。

<ジャパンC 上がり3F順位別成績> 5位以内 【9-11-6-29】 勝率16.4%、連対率36.4%、複勝率47.3%、 単勝回収率74%、複勝回収率91% ※過去10年 前記の傾向は数字にも表れている。ジャパンCにおける上がり3F5位以内馬の成績は上記の通り優秀だ。勝ち馬10頭中9頭、連対馬21頭中20頭(※24年2着同着)、馬券内30頭中26頭を該当馬が占めている。速い上がりを使えなかった先行馬の残り目はほとんどない。メンバー上位の末脚を使うことが好走の必須条件だ。 また、好走率に対して回収率が伸びていないことから分かるように、実力、実績確かな人気馬が順当に好走している点も押さえておきたい。やはり各馬のポテンシャルが最大限発揮されやすいコースで、適性で逆転することはかなり厳しい。とにかく能力比較を重視して印を打ちたい。


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続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走(または日本での直近走)の通過順位に3番手以内のある先行馬が7頭と、出走馬全18頭に対してそれなりに多い。 近走で逃げた経験のある馬は少なく、どの馬も絶対にハナまで取りきりたいタイプではない。ただ先行馬の数自体は揃っていて、天皇賞(秋)の超スローペースを受けて前にポジションを取りたい騎手心理が働けば、緩すぎるペースにはならないはずだ。 この展開で最も恵まれるのはやはり道中でしっかりと脚を溜め、最後に速い上がりを使える差し脚確かな馬だ。最後の直線で道中のポジション差はカバーできるが、最後方から一気に差し切れるメンバーレベルと展開ではないため、一定程度の追走力は必須だ。地力上位馬のうち、展開面からは上がり性能と追走力を重視して印を打っていく。 3歳世代史上初の天皇賞(秋)との同時制覇へ ◎マスカレードボール 皐月賞、日本ダービー、天皇賞(秋)に引き続いての本命。前走の天皇賞(秋)は1000m通過62.0秒の超スローペースを9番手で追走。コーナー通過順位9-6-8と道中スムーズさを欠いたが、直線では外に出し、ラスト4F11.5-10.9-10.9-11.1という優秀なラップを差し切って勝利した。上がり3Fは32.3秒の強烈な決め手。着差以上に力の差を見せた完勝で、現3歳世代のレベルの高さを証明した。 2走前の日本ダービーは好スタートからミドルペースを8番手で追走。4角4番手以内馬が1、3、4着という前残り展開の中、同7番手から上がり3F33.7秒の末脚で0.1秒差2着。着順、着差以上に評価できる内容で、世代最高峰の能力を示した。 2歳時から示し続けたGⅠ級のポテンシャルが天皇賞(秋)で遂に実を結んで迎える本レース。叩き2走目で状態はベストに近く、C.ルメール騎手の継続騎乗も心強い。斤量のアドバンテージも大きなプラス材料だ。 鞍上が「2000mは少し短く2400mの方がいい」とコメントしているように、東京芝2400mという舞台はベスト条件とみる。3歳馬による天皇賞(秋)、ジャパンC両制覇という史上初の偉業を、本馬なら成し遂げられると信じて本命を打つ。 ◯クロワデュノール マスカレードボールと並び現3歳世代最上位の一頭。安定した先行力と堅実な末脚を使えるのが強みであり1枠2番は絶好枠。天皇賞(秋)におけるマスカレードボール、ミュージアムマイルの走りから、この世代はハイレベルであり、今回のメンバーでも地力上位の一頭だ。勝利した日本ダービーと同じ舞台でポテンシャルを最大限発揮できれば順当に好走可能とみる。天皇賞(秋)に引き続き3歳ワンツーに期待する。 ▲ダノンデサイル 昨年日本ダービー以来の東京芝2400m戦。古馬中距離路線ではレガレイラとこの馬の地力が一枚抜けている印象だ。そのダービーでは東京芝2400mにおける後半4F、後半5F史上最速を記録しており、高い持続力だけでなくメンバー最上位の上がり性能を持つ。中団追走からスムーズに追い出せれば順当に勝ち負けに加わってくる。 △カランダガン 欧州年度代表馬。ドバイSCはスローペースの後方から上がり最速の脚を使い2着。本馬より前で運んだダノンデサイルをかわせなかったものの、ペース次第では十分に逆転可能な印象を受けた。このスピードと瞬発力は間違いなく日本の高速馬場でも生きる。近年来日した海外馬とは明らかに異質な高速馬場に対する適性を持ち、これまでとは同列には扱えない。 ここは上位4頭の地力が抜けている印象で各馬の状態もいい。順当にポテンシャルが発揮されるこのコースでは大きな逆転は考えにくいと見て、4頭にのみ印を打つ。 買い目は◎単勝1点、◎-◯▲馬連2点、◎-◯-▲△3連複2点で勝負する。 ▽ジャパンC予想▽ ◎マスカレードボール ◯クロワデュノール ▲ダノンデサイル △カランダガン ライタープロフィール 京都大学競馬研究会 今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。

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