悪目立ちしすぎ。最近のAI界隈の出来事で気になったこと
2025年10月前半はAI関連の発表が相次ぐ中で、OpenAIが超悪目立ちしていました。新しく作ったSNSは権利問題に。ChatGPTの進化の仕方が「来年何買うか」に影響するかもな空気もでてくるなど、野心を隠さなすぎだったと思います。その一方で、新しいAIがいくつも発表&利用可能になり、それぞれ魅力的なモデルになっていると感じました。重要そうな話題をまとめます。
1. Sora騒動:わかってやってますよね…
OpenAIがAI動画SNS「Sora」をローンチしました。「AI動画SNS」って言われても想像つきにくいと思うんですが、登録すると最新の動画生成AIが使いまくれて、自分や友だちを登場させた想像力豊かなAI動画を作って遊ぼうよというのがそのコンセプト。
ところが、実際に作られた動画には俳優やアニメキャラのパロディなど、肖像権・著作権的に問題のある動画があまりにも多かったんです。初動の勢いで肖像権や著作権の議論を有耶無耶にしたかったようにしか見えませんでしたが、米国映画協会が糾弾を行い、ディズニーがコンテンツ使用不許可を通達するなどクリエイター業界から「問題外」とされました。
当初はマジで何でも作れた感じでしたが制限が入り、執筆時点でも人物写真などからは動画が作れない状態です。TLは一気に勢いを失いました。
2. iPhone・AndroidにChatGPTが並ぶ日が見えてきた
Image: OpenAIChatGPTの今後のアップデート予定が発表されたのですが、これがだいぶ野心的でした。端的に言うと、プラットフォーム化します。そのまま順調にいったら「OS」(オペレーティング・システム。WindowsやiOSのようなコンピュータを動作させる基本ソフト)のような感じになってくるかもしれません。
発表内容に則して言うと、ChatGPT内で「アプリ連携」が可能になります。Spotify(音楽アプリ)からおすすめを引っ張れるようになり、Canva(デザインアプリ)とつながってポスターを作れるようになったりします。ChatGPT内で動画コンテンツも見れて、内容を要約してもらえるようになります。賢いChatGPTと多様なアプリのシナジーには期待が持てそうです。
また、これは「ChatGPTにアプリを操作してもらえる」ということでもあるのが重要です。「このアプリでこうして」と言えば、アプリを開く以降の操作はChatGPTがするようなものでもあります。「わざわざ高いiPhoneを使う意味は…?」は加速する気がします。Androidで十分? いや、Androidについても話は同じです。ChatGPTはブラウザがあれば使えます。型落ちでも支障はほとんどないでしょう。
「ChatGPTに最適化されたデバイス」が登場する準備が着々と整ってきているように見えます。実は既に予告はされていて、2026年に発表するかもと言われています。今後が気になる話、という感じですね。
3. OpenAIの最新動画生成AI「Sora 2」:これ自体はめっちゃいい
Photo: かみやまたくみ先述したSNSで使える「Sora 2」という動画生成AIを試してみたのですが、非常に優秀なモデルでした。
自分の想像を印象的な映像にしてくれますし、自分で撮った写真や描いた絵を思った通りに動かすこともできます。特に上位モデルの「Sora 2 Pro」は描写力が凄まじくて、商業レベルの映像製作に活用されていくのでは?と思いました。イラストレーションや3Dモデリングなど、ビジュアル制作技術を持っている人との相性がいいのではないかと。フェイク以上の、超こだわったオリジナルの映像作りが可能な水準だと感じました。
4. Anthropicから最新モデル。Claudeが「第3の選択肢」として魅力的に
Image: Anthropic一般向けで汎用性が高いモデルを志向するOpenAIやGoogleとはやや趣を異にするAnthropic社が、最新モデル「Claude Sonnet 4.5」を発表しました。
Claudeシリーズはコード生成を得意とし、エンジニアからの評価が高いAIです。ベンチマーク結果からはSonnet 4.5が従来の特徴を引き続き備えつつも、GPTシリーズやGeminiシリーズに並ぶ汎用性も獲得したように見えました。明確に「第3の選択肢」になってきたと思います。今使っているAIがイマイチと感じたら、Claudeにしてみるのもアリかもしれません。
まだ一部ユーザー向けではありますが、「ユーザーが開いているブラウザを操作してGmailやGoogleドライブのファイルをチェック・編集する機能」なんかも展開されており、「PC操作を任せる系AI」としての発展も見せています。
5. Perplexityの「AIブラウザ」が無料で利用可能に
Screenshot: PerplexityAI検索に特化したPerplexity社が一部ユーザー向けに展開していたAIブラウザ「Comet」を無料開放しています。Perplexityを完全統合したブラウザで、検索はほぼアプリ版のPerplexityと同じ。人によってはかなりハマると思います。
印象的だった機能として「発見」があります。毎日いろんな記事が掲載されるWeb新聞的な機能ですが、すべての記事をAIが執筆しています。1記事あたり40本とかのソースに当たっており、人間では到底マネできない調査量で書かれているのに驚きました。いろんな記事に散らばっている要点が集約されていて、なかなか読みやすいと思ってしまいました。