万博グルメはぼったくり? 「これで650円なら…」記者が見つけた"一番安い"メニューとは
13日に開幕した「EXPO 2025 大阪・関西万博」のフードメニューを巡り、ネット上で「高すぎる」「ぼったくり」との声が相次いでいる。1杯3850円の駅そばも話題となっているが、実際には何もかもが高いというわけではなく、手頃な価格のメニューも存在する。開幕初日、ドケチな記者が会場内を駆け回って探した、お手頃価格の万博グルメを紹介。味と価格、満足度を“忖度なし”にリポートする。(取材・文=佐藤佑輔)
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万博グルメとして開幕前から話題をさらったのが、兵庫県姫路市の「まねき食品」が提供する「究極のえきそば」は3850円(税込)。駅そばとしては破格の値段設定だが、「究極」をうたうだけあり、材料に神戸牛が使われるなど、目にも豪華な一品となっている。
万博に限らず、イベント会場では何かと割高になりがちなフードメニュー。家族連れやカップルであれば「せっかくの機会だから……」と財布のひもも緩みそうなところだが、中には「絶対に1食1000円以上は使いたくない」という向きもあるだろう。倹約家が多く、「安くて良いもの」に目がない開催地の大阪人ならなおのこと。万博で一番安いグルメは何なのか、開幕初日に会場内の飲食店を巡ってみた。
会場があまりに広大なため、すべての店舗に足を運んだわけではないものの、記者が見た中で最も安いと感じたのは、リングサイドマーケットプレイス東エリアにある、株式会社トーマスが手掛ける「讃岐うどん」の「かけうどん」650円(税込)だ。店内は大手うどんチェーンと同様のセルフ形式で、注文後に天ぷらやおにぎりなどのサイドメニューを自由に取るシステム。一方で、ネギや天かすなどの無料トッピングはなく、卓上には七味が置かれているだけだった。
注文したかけうどんは、少量のネギと天かすが浮かんだ一般的なもの。讃岐うどんをうたうだけあって、麺はコシがあってなかなかにおいしく、「これで650円なら、まあ」と納得する一杯だった。一方、大盛り注文ができないため、一般的な男性だとうどん一杯では物足りなさを感じることもあるかもしれない。記者は冷たい「ぶっかけうどん」900円(税込)も合わせて購入。こちらも一般的なぶっかけうどんで、かけうどんと比較すると割高感を感じた。
同店では鹿児島県産A5ランクの和牛を使った「和牛御膳」2500円(税込)というメニューもあり、この辺は「究極のえきそば」同様、来場客の客層に合わせて複数の価格展開をしているようだ。海老天は500円、かしわ天は400円、おにぎりは350円(いずれも税込)で、サイドメニューにしては高めの価格設定だと感じた。
小腹が空いた午後3時には、風の広場マーケットプレイスエリアのフードコート、「好きやねん大阪 WEST SIDE」で腹ごしらえ。「うどん780円~(税込858円~)」というのれんがでかでかと掲げられており、フランクフルト350円、唐揚げ500円、かき氷500円(いずれも税込)など、お祭りらしい屋台でテイクアウトメニューが販売されていた。1食2000円超えもザラな万博会場では比較的リーズナブルな価格設定で、総席数430席以上というこちらのフードコートは全席自由席とあって、昼時を過ぎてもなお混み合っていた。試しに唐揚げを購入したが、味はいまひとつだった。
夕食時に向かったのは、リングサイドマーケットプレイス西エリアで、「1席50分550円」の有料指定席が物議を醸しているフードコート「大阪のれんめぐり~食と祭EXPO~」。イスとテーブルのある指定席エリアは勝手に入ることができないよう仕切りが設けられており、午後7時過ぎという時間もあって中にはお酒を楽しむ外国人グループが1組いたきり。日本人来場者の多くは隅にある狭い立ち食いスペースで縮こまって食事を取っていた。「ほら、やっぱり入れないじゃん。立って食べるしかないよ」と、女性が残念そうにつぶやいていた。
注文したのは道頓堀発祥の老舗ラーメン店「どうとんぼり神座」の「おいしいラーメン」1200円(税込)。道頓堀本店であれば820円(税込、13日時点)で食べられるメニューで、やはりイベント価格であることは否めない。味は神座のラーメンそのもので、提供台には豆板醤やおろしにんにく、ニラなどの無料トッピングが用意されており、スープもたっぷり入っているため満足感は高かった。
フードコート内には、関西を中心とした回転ずしチェーン「大起水産回転寿司」も入っており、「にぎり寿司8貫盛り合わせ」は1080円(税込)で、パック詰めされた状態で販売。「海鮮丼」は980円(税込)で、実食はしなかったものの、かなりリーズナブルな値段だと感じた。
この他、会場内の各所に設置されている自動販売機の価格もまちまちで、200円のスポーツドリンクもあれば、600ミリリットル130円の飲料水も。何かと高い、ぼったくりというイメージを持たれている万博だが、よくよく探せば庶民的な価格のものも数多く見つかった。「せっかくの万博に来たのだから」と各国の料理に舌鼓を打つのか、とにかく「安くてうまい」を探し求めるのか。楽しみ方は十人十色でありそうだ。