原作の問題シーンも容赦なく再現したアニメ 「んなとこ弄り回さないで」「音ヤバ」
過酷なストーリーが描かれるマンガでは、ときに目を覆いたくなるような残酷なシーンが登場し、読者に「トラウマ」を与えることも少なくありません。そういった作品がアニメ化され、どこまで原作を忠実に再現するのか気になってみてみると、容赦なく問題のシーンを描ききっていた作品もありました。
これまで数々の過激なマンガがアニメ化され、衝撃的な場面がそのまま再現されることもあれば、規制が入ったり、マイルドな表現になっていたりと、変わっていることもありました。なかには、思い切り青年向けの内容で、残酷描写、性的描写、救いのない展開などが盛り込まれたマンガをアニメ化し、原作以上に衝撃的な演出があった作品もあります。
●『ベルセルク』
三浦建太郎先生の大ヒットファンタジーマンガ『ベルセルク』で、主人公「ガッツ」がかつての仲間「グリフィス」への復讐を誓う原因となった降魔の儀「蝕」は、マンガ史上最大のトラウマともいわれる惨劇シーンのひとつです。
仕えていた「ミッドランド王国」の王女と密通し、手足の腱を切られ囚われの身となったグリフィスは、ガッツらに救い出されるも自殺すら許されない自身の状況に絶望し、超越的存在の「ゴッドハンド」に転生するための儀式「蝕」を引き起こして、最も大切な「鷹の団」の仲間を生贄に捧げ、自身の夢を叶えようとします。
蝕で生まれた異空間では、それまで活躍していた鷹の団の団員たちが、なすすべもなく次々とおぞましい怪物に殺戮されるというショッキングな展開が起こりました。極めつけは、グリフィスがガッツの恋人「キャスカ」を、彼の目の前で凌辱するという衝撃的なシーンです。
蝕のシーンはTVアニメ『剣風伝奇ベルセルク』や、劇場版『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』で忠実に再現され、「映像が美麗な分、マンガ版とはまた違う衝撃を受けた」「色と音が付いて余計ヤバイ」「『剣風伝奇』だとここが最終回だからキツすぎる」と、アニメ化によって原作以上のトラウマを感じた人もいたようです。
●『メイドインアビス』
謎の大穴「アビス」での冒険が描かれるTVアニメ『メイドインアビス』(原作:つくしあきひと)は、かわいらしいイラストとは裏腹に、容赦のない残酷シーン含め、過酷な冒険が描かれています。なかでも、アニメ第1期第10話では、探窟家見習の少女「リコ」が、原生生物「タマウガチ」の毒に侵され、同行する少年型ロボット「レグ」に腕の切断を依頼するシーンが、強烈なインパクトを残しました。
リコの腕は毒によって変色し腫れあがり、さらにタマウガチから逃げる際にアビス深界四層の「上昇負荷」で人体に影響を及ぼす「呪い」を受けてしまいます。リコが激痛を訴えながら目や耳、口などの全身の穴から流血するシーンは「恐怖映像」として語り継がれるほどの衝撃を視聴者に与えました。
腕を斬る際には、石やナイフなど周囲にあるもので切断を試みる生々しい描写、リコが痛みにもがく姿を見るレグのつらい心情までも丁寧に表現されています。
●『HUNTER×HUNTER』
冨樫義博先生による大人気マンガ『HUNTER×HUNTER』のなかでも、とくに人気を集める「キメラ=アント編」では、特殊な生態を持つ蟻「キメラ=アント」とハンターたちの熾烈な戦いが描かれます。
残虐なシーンが多い本編のなかでも、作中屈指のトラウマ描写として語り継がれる「脳みそくちゅくちゅ」シーンは、2011年版のアニメ第84話で圧倒的な絶望感で再現されました。
問題のシーンでは、キメラアントに捕らえられたハンター「ポックル」が、念能力の情報を引き出すために敵の「ネフェルピトー」に頭蓋骨を開かれ、脳を直接刺激されながら自白を強要される姿が描かれます。頭部はぼかして描かれていたものの、脳をいじる生々しい音や、ポックルの見開いた目、「あっ」と声をあげる姿が残酷さを際立たせていました。
その後、情報を絞り出されたポックルは肉団子にされ、蟻の女王に食べられるという、救いのない最期に、視聴者からは「脳にこびりつくトラウマ」「好きなキャラだったから見た瞬間に目眩がした」といった声があがりました。
(LUIS FIELD)
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