NY市場サマリー(26日)株4日続伸 米国債利回りまちまち ポンド上昇
<為替> 円が対ドルで下落した。日本銀行が来月利上げする可能性への憶測で一時的に上昇したものの、その後、勢いを失った。一方、予想を上回る財政バッファーを示した英国予算を受けてポンドは上昇した。
ドルは対円以外では弱含んだ。一連の米経済指標はまちまちで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しにほとんど変化がなかった。
投資家は日本の当局による為替介入の可能性を警戒している。円はドルに対して一時155.66円に上昇したものの、反転した。終盤は0.2%安の1ドル=156.44円だった。
UBSの外為ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「日銀がタカ派的な利上げを実施し、インフレ抑制のために2026年まで一貫して金利を引き上げることを約束しない限り、1回の利上げで円の軌道を大きく変えるのは難しいだろう。米国と日本の金利差は依然としてかなり大きく、ボラティリティーも低いため、円が大きな恩恵を受けるとは思えない」と述べた。
英国の財政を監視する独立した機関の予算責任局(OBR)は同日、財政規則に対する余裕が今後5年間で約220億ポンドに拡大するとの見通しを示した。3月時点の99億ポンドの2倍超の水準となる。
ポンドは対ドルで0.5%上昇し、1ポンド=1.322ドル。対ユーロでも上昇し、0.3%高の87.64ペンスとなった。,
CMEグループのフェドウォッチによると、短期金融市場が織り込む来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での25ベーシスポイント(bp)の利下げ確率は85%となっている。
ユーロ/ドルは1.159ドルと、0.2%上昇した。
NY外為市場:
<債券> 国債利回りがまちまちとなった。予想を上回る経済指標の発表を受けて利回りは上昇したものの、英国債の急騰を背景に、米長期ゾーン利回りの上昇は抑制された。
12月の米利下げ期待の高まりで、利回りは前日まで4営業日連続で低下していたため、一部で利益確定の動きも出た。
10年債利回りは3.999%とほぼ横ばいで推移した。
2年債利回りは2ベーシスポイント(bp)超上昇の3.483%となった。
30年債利回りは1bp超低下の4.645%となった。
2年債と10年債の利回り格差は51.5bpと、前日の54.3bpから縮小した。
財務省が実施した440億ドルの7年債入札は需要が低調。最高落札利回りは3.781%と、入札締め切り時点の水準を約0.5bp上回った。
米金融・債券市場:
<株式> 主要株価3指数は4営業日続伸。12月の利下げ観測の高まりを背景に買い優勢となった。投資家は先週の下落につながったハイテク株の割高なバリュエーションへの懸念を受け流した。
ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「きょうと金曜日の半日取引は、感謝祭のような休暇前後に見られる典型的なパターンで、出来高が細り個人投資家の楽観ムードがやや強まる傾向がある」と指摘。さらに「ここ数日、市場では米連邦準備理事会(FRB)の12月利下げ観測が急速に強まっており、これが足元の相場上昇の最大のけん引役となっている」と分析した。
CMEのフェドウオッチツールによると、金融市場が織り込む12月の25ベーシスポイント(bp)利下げ確率は84.9%となっている。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を3.37対1の比率で上回った。ナスダックでも2.13対1で値上がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は147億8000万株。直近20営業日の平均は194億9000万株。
米国株式市場:
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が広がる中で買われ、上伸した。
この日から新たに中心限月となった2月物の清算値(終値に相当)は前日比25.00ドル(0.60%)高の1オンス=4202.30ドル。
先週から今週にかけて複数のFRB高官から、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを支持する発言が相次いでおり、金利を産まない資産である金が買われる流れが続いている。また、「ハト派」寄りのハセット国家経済会議(NEC)委員長が次期FRB議長の最有力候補と伝わったことも、金の買いを後押ししたとの見方もあった。
経済指標は強弱まちまちの内容となったものの、FRBが12月のFOMCで利下げに動くとの見通しに大きな変化はなく、相場の反応は限定的だった。
NY貴金属:
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場 は、需給の緩みに対する強い警戒感が和らぎ、反発した。
米国産標準油種WTIの中心限 月1月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.70ドル(1.21%)高の1バレル= 58.65ドル。2月物は0.68ドル高の58.42ドルだった。
供給過剰懸念がくすぶる中、米エネルギー情報局(EIA)がこの日午前に公表した21日までの在庫週報では、原油とガソリンがともに市場予想を上回る積み増しを記録。ただ、輸入の増加が主因だったほか、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが午後に公表した統計では、26日までの週の石油掘削リグ稼働数が4週ぶりにマイナスに転じたことが明らかになった。
さらに、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」が30日に開催する会合で、先に合意した2026年1─3月の増産停止方針を確認する見込みとの報道も買いを支援し、相場は取引終盤に上値を拡大した。
NYMEXエネルギー:
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