日経平均は4日ぶり反落、利益確定 初の4万4000円で達成感

 9月9日、東京株式市場で日経平均は4日ぶりに反落し、前営業日比184円52銭安の4万3459円29銭で取引を終えた。写真は2024年2月、都内の株価ボードで撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

[東京 9日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は4日ぶりに反落し、前営業日比184円52銭安の4万3459円29銭で取引を終えた。米半導体株高や自民党の総裁選への期待感から上昇に弾みがつき、朝方には初めて4万4000円の大台に上昇し、取引時間中の史上最高値を更新した。その後は大台到達の達成感から利益確定売りに押されてマイナスに転じ、終値では最高値更新とはならなかった。

日経平均は寄り付きから史上最高値を更新し、短時間で4万4000円を上抜けた。一時541円高の4万4185円73銭に上値を伸ばした。国内メディアが、リフレ的な政策スタンスで知られる高市早苗前経済安全保障担当相が総裁選に出馬する意向を固めたと報じたことが上昇に勢いをつけた。

アドバンテスト(6857.T), opens new tabが急伸し、上場来高値を更新。東京エレクトロン(8035.T), opens new tabも堅調で、2銘柄で約240円、日経平均を押し上げた。ドル/円は円高方向だったが、輸送用機器などの輸出株も朝方にはプラスが目立った。総裁選を踏まえて日銀が早期に利上げしにくくなるとの思惑は不動産株を支援し、銀行株の逆風になった。

一方、日経平均のバリュエーションは前日の株価収益率(PER)ですでに約18倍と高まっており、総裁選への期待を過度に織り込むことを警戒する声も聞かれた。大台に到達した達成感もあって次第に利益確定売りが優勢になり、後場にはマイナスに転じた。一時191円安に下げを拡大した。

もっとも、政策期待が継続する間は「引き続き、目線は上方向でいいのではないか」(フィリップ証券の増沢丈彦・株式部トレーディング・ヘッド)との見方も根強い。高値超えなどのイベントがあると投資家は利益確定の口実にしやすいものの「下値を売る性質の売りではなく、ダウンサイドは限定的だろう」と、増沢氏はみている。

TOPIXは0.51%安の3122.12ポイントで取引を終えた。取引時間中に史上最高値を更新する場面もあった。東証プライム市場指数は前営業日比0.51%安の1607.2ポイントだった。プライム市場の売買代金は4兆7643億2700万円だった。東証33業種では、値上がりはパルプ・紙や倉庫・運輸関連、不動産など8業種、値下がりは非鉄金属や鉄鋼、鉱業など25業種だった。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が4日ぶり反落し、0.39%安の771.33ポイントだった。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが616銘柄(38%)、値下がりは952銘柄(58%)、変わらずは50銘柄(3%)だった。

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