「もう一度聞きたい」中山美穂さんの“一曲”ランキング 「推したい曲」が並んだ大混戦の15位以降 「なんてカッコイイんだ」とファン衝撃の曲も
12月6日に亡くなった、歌手で俳優の中山美穂さん(享年54)。1985年、「C」でデビュー以降、数多くのヒット曲を発表してきました。そのなかで、もう一度聞きたいという「一曲」は何か、AERA dot.編集部はアンケートを実施。3千超の回答から選ばれたランキングの15位以降は、「ファン以外にも聞いてほしい」と選んだ名曲がひしめく混戦状態に。
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中山美穂さんは、1985年に放送されたドラマ「毎度おさわがせします」で彗星のように現れ、同年の初主演ドラマ「夏・体験物語」の主題歌『「C」』で歌手デビュー。その後も、多くのヒット曲を発表しました。
今回のアンケートは12月11~16日にインターネット上で実施し、3333人から回答がありました。
15位 未来へのプレゼント(1996年)
15位には同一票で3曲が並ぶ。1曲目「未来へのプレゼント」は、本人主演のフジテレビ系ドラマ『おいしい関係』主題歌でシンガーソングライターの岡本真夜とのコラボ曲だ。
「『おいしい関係』のドラマのストーリーにどっぷり浸かってました。この歌詞を聴くと励まされます」(40代、女性)というファンの声のように、「未来へのプレゼント」は多くの人の支えになってきた。
「あきらめそうな時に元気をもらえた」(50代、男性)
「自身が辛かった時に初めて聴いた歌で、歌詞と自身の思いがリンクし涙が溢れた1曲。今でも応援歌として聴いています」(50代、女性)
「小学生の頃に見ていたドラマの主題歌。今年のコンサートで初めて生で聞けて感動しました。歌詞にも励まされるので、今もう一度聞きたいです」(30代、女性)
そして、ファンに勇気や元気を与えてくれた「未来へのプレゼント」を歌う中山美穂さんは亡くなってしまった――。
「今年のライブで歌ってくれました。歌う前のMCで、『歌詞がストレート過ぎるので、歌うことを躊躇することもあった』というようなお話をしていて、本当にいつも自分のことではなく、相手のことを思いやれる人なんだなと感じ、歌声を聴きながら泣いてしまいました。 そんな美穂ちゃんが大好きで、初めてTVで見た時から40年、ずっと追いかけ、ずっと応援してきました。訃報が入った当日のビルボードライブ大阪も会いに行く予定で、突然のお別れがまだ信じがたく、胸が痛いです」(50代、女性)
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続いては隠れた名曲「花瓶」がランクイン。アルバム「CATCH THE NITE」に収録されている1曲に多くのコメントが寄せられた。
「当時12歳で歌詞の意味も理解できていたかも定かではありませんでしたが、とにかく好きで聴きまくっていました。『花瓶』が収録されているアルバム『CATCH THE NITE』は名盤です」(40代、女性)
「初めて聞いたのは中学生で歌詞の意味などよくわからず聞いていました。二つしか年齢変わらないのにミポリンは大人なんだなと思った記憶があります」(50代、女性)
こうした隠れた名曲だからこそ、中山美穂さん亡き後、もう一度聞きたい、そして多くの人に聞いてもらいたいという熱いメッセージも。
「当時アルバムに入ってて中学生だったので深く意味は分からなかったような気がしますが、ミポリンはこんなしっとりした歌を歌うんだとなんか衝撃だったのと分からないなりに凄くいい曲、詩だなと忘れられずいまだに大好きです。しっとりした歌、凄く若いのに上手く歌えててびっくりしました。隠れヒット曲沢山あるからファンの方は分かるでしょうけど、ファン以外の方も是非聴いてもらいたいです!」(50代、女性)
15位 生意気(1985年)
生意気(1985年) 撮影/写真映像部・和仁貢介 協力/歌謡曲BAR スポットライト 新橋同一票の3曲目はアイドル全盛期の「生意気」(1985年)がランクイン。デビュー曲『C』に引き続き作詞・松本隆×作曲・筒美京平のヒットメーカーが手掛けた2枚目のシングルだ。
「セカンドシングルで、目立たないけど松本隆さん筒美京平さん天才コンビの名曲。今年のライブツアーアンコールで歌い、まわりがどよめきましたし感動しました」(50代、女性)
同一票が3曲も並んだが「1曲」に絞れないという声はもちろん多かった。
「全部って言いたいところですが、同世代なので、割とデビューしたての『生意気』を選びました。歌詞に『シンガポールの船』『棕櫚の針』など、どこか南国の風景でアップテンポな曲調が印象的。有名な曲は、みなさん推薦されると思いましたので、ここはあえてマイナーだけど、自分が推したい曲を選びました」(50代、男性)
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新曲をリリースすれば全国各地を飛び回っていたデビューしたての「アイドル・中山美穂」の思い出も。
「小学生の時、近くのショッピングセンターに美穂ちゃんが来て見に行きました。レコードを買ってサインをもらい、握手してもらいました。美穂ちゃんの大ファンになり、その後は出演するドラマや歌番組は必ずチェックしていました」(50代、女性)
18位 Virgin Eyes(1989年)
2票差で18位になった「Virgin Eyes」は中山美穂さん主演の東宝系映画『どっちにするの。』の主題歌。
「『どっちにするの。』の主題歌。小学生でしたが近くの劇場で何度も何度も観ました。ミポリンは当時転校を繰り返していた私の心の支えでした」(40代、女性)
「小学生の頃、初めて自分でお金を払って観た映画『どっちにするの。』の主題歌。田舎育ちの私にとっては都会っぽさを感じさせるサウンドで、上京後社会人になって仕事場に向かう時に聴くと“自分も都会の真ん中で頑張ってるんだ”と士気が上がる感覚がありました」(40代、女性)
中山美穂さん本人がファンだったシンガーソングライターの杏里チームによる楽曲は都会的でかっこよく、“衝撃的”というファンの声も。
「当時小4だった私が“なんてカッコ良い曲なんだ!”と衝撃を受けた1曲です。杏里サウンドがとても最高な曲で、45歳になった今でもよく聴いています」(40代、女性)
「軽快で夏の青空を思い出す様な杏里サウンドが美穂ちゃんの歌声にピッタリでした。格好良く踊りながら歌う美穂ちゃんがもう一度見たいです」(50代、女性)
19位 幸せになるために(1993年)
「幸せになるために」はNHK連続テレビ小説『ええにょぼ』の主題歌。ドラマの主演を務めながら、そのドラマの主題歌も歌うのが“定番”だった中山美穂さんだが、朝ドラ『ええにょぼ』は俳優の戸田菜穂が主演で、中山美穂さんは楽曲のみ。それでも毎朝流れる曲で、その存在感は大きかった。
「本人主演ではないドラマの主題歌で、それでもやっぱり歌の存在感があって中山美穂の歌って凄いんだなと思わせてくれた曲だから」(50代、女性)
「NHK朝ドラの主題歌で毎日聞いて元気でいられた一曲」(50代、女性)
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語りかけるような歌唱に癒されるファンも多かったようで、そんなコメントも多く集まった。
「初めて聴いた時、心がふわっと温かくなったのを覚えています。今でも何かあるたびに聴き続けています」(50代、女性)
「自分がどん底の時にこの曲に救われました」(50代、女性)
「中山美穂さんが作詞の歌詞がとーっても心に響いて、美穂さんの柔らかく優しい歌声に優しい気持ちになれるのと聴いてると大切な人に想いを馳せる曲です。付き合っていた彼に逢いに行く時に聴いていました」(50代、女性)
19位 Rosa ローザ(1991年)
Rosa ローザ(1991年)/ファン私物同一票で、「幸せになるために」と雰囲気の全く異なる楽曲「Rosa ローザ」がランクイン。中山美穂さんの22作目のシングルで、それまでの曲から印象がガラリと変わった一曲のため、印象深いファンも多いよう。
「中山美穂さんが歌う楽曲の新たな世界観が垣間見れた一曲だと思います。曲の世界観も不思議な感じがして、もう一度、聞いてみたいです」(40代、女性)
「それまでの美穂さんにない、全く新しい楽曲で、新境地を開いたから。詞も美穂さんのペンネーム(一咲)です」(40代、男性)
作詞に名を刻む「一咲」(いっさく)は、中山美穂さんのペンネーム。濃厚なラテンのリズムにクセのある「チョットドウシタノ」というフレーズが耳に残る曲で、歌番組で披露されるときにはバックダンサーを従え、カッコよかった。もう一度聞きた理由に、その姿を見たいという声も多い。
「今までないタイプの曲で斬新だった。歌番組やコンサートで踊りながら歌うミポリンがめちゃくちゃ美しくカッコよかった」(40代、男性)
「情熱的に踊るミポリンが色っぽくてスキ」(40代、女性)
「1991年夏リリースのこの曲。妖艶な姿とセクシーなダンスで魅了し、サウンドはこれまでにはなかった異国籍系のテクノサウンド+妙にクセになる言葉選びがハマった歌詞が見事にハマり、有線チャートでも長い間上位に食い込んだ大ヒット曲です。彼女のキャリアの中であまり語られることのない楽曲ですが、間違いなく歌手としてのターニングポイントとなった楽曲だと思います。バックダンサーに夏まゆみさんが居た事も今となっては豪華コラボでしたね!」(40代、男性)
ステージで、美しく、かっこいい中山美穂さんを再び見るのがかなわぬこととなってしまったのは残念でならない。
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