15匹の保護猫と暮らし、地域猫への餌やりと動画発信を一日も欠かさない男性 その尋常ではない情熱はどこからくるのか
優しい人を知っているからこその無防備な姿勢(画像:大日本動物愛護帝国さん)
大阪府北部のとある町に、一日も欠かすことなく地域猫への餌やりや保護活動を行い、その様子をTikTokで毎日発信し続けている男性がいる。自らもアパートを2部屋借りて、15匹の猫たちと一緒に暮らす、ハンドルネーム「大日本動物愛護帝国」さんに猫への想いと保護活動について聞いた。
雨の日も雪の日も欠かさず餌やりに出かける
大日本動物愛護帝国さん(以下、帝国さん)は、毎日午前8時から約3時間をかけて、雨の日も雪の日も、また年末年始やクリスマスでも地域猫への餌やりを欠かさない。
現在、帝国さんが外で見守っている猫は15匹。ほかに、アパートでも15匹の保護猫と一緒に暮らしている。
安心できるおうちで寛ぐ(画像:大日本動物愛護帝国さん)
多頭飼育は何かと心配されがちだが、この物件のオーナーが親類とのことで、帝国さん自身も自分で時間管理のできる仕事に就いているため、猫の世話が疎かになることはない。
それにしても、情熱の傾け方が尋常ではない。単に猫好きというだけでは、ここまで精力的な活動はできないはず。
カメラ目線でドヤ顔(画像:大日本動物愛護帝国さん)
「幼少の頃から、猫に限らず生き物全般が好きでした。学校の帰り道で捨て犬を見つけたら、家まで連れて帰るような子どもでした。今は見かけなくなりましたが、野良犬がいれば、やはり同じように世話をしていたと思います」
帝国さんにあるのは、生まれてきた命を大切にしたいという純粋な想いなのだという。
前足の毛が薄くなっているのが気になる三毛猫さん(画像:大日本動物愛護帝国さん)
動画をSNSで毎日発信
帝国さんの活動は、餌やりだけにはとどまらない。可能な限り観察して健康状態を確認する。違和感に気づいたら、捕獲が可能であれば獣医のもとへ連れていく。捕獲が難しい猫は動画を撮り、獣医に見せて助言をもらう。
このような活動の様子は、2024年2月からTikTokで毎日発信されている。
「懸命に生きる猫たちの現実を1人でも多くの人に知ってほしいとの想いで始めたのですが、今ではすっかり日課になっています」
アパートを2部屋借りて15匹の猫と暮らす(TikTokより)
TikTokで帝国さんの活動を知った人から「活動に役立ててください」と、支援の物資が届くことがある。同時に、保護猫活動に否定的な考えをもつ人から心ない誹謗中傷や嫌がらせを受けることもあるという。
「僕は何を言われてもいいのですが、猫に危害を加えに来る人もいるので…」
そのため、住んでいる地域や実名は伏せているそうだ。
帝国さんの活動は単独で行っているが、必要な場合は他の個人活動家や保護猫団体とも一定の連携を保っているとのこと。
「ベテランの活動家さんから捕獲や知識を学んだり、自分の経験も積み重ねたりすることで、個人の枠を超えた精度の高い保護活動を目指しています」
カメラ目線でポーズ(画像:大日本動物愛護帝国さん)
「ボランティアは自腹で無報酬」の意識を変えたい 持続可能な組織化を構想
保護猫活動を行っている団体は多く存在する。活動の多くは、基本的に有志のボランティアなので、経費はメンバーの自腹や善意の寄付に頼っているのが現状だ。帝国さんは、そのような活動の形に限界を感じるという。
「ボランティアは責任の所在が曖昧になりやすく、参加するのも辞めるのも自由です。そのため、人手不足に陥ったら活動そのものが維持できなくなる恐れがあります」
屋外で帝国さんを待つ猫たち(画像:大日本動物愛護帝国さん)
そこで帝国さんは、保護活動を「有償ボランティア」や「収益を生む組織」として成立させることを理想として掲げている。
「具体的には、自然豊かな環境に大きな施設を構えて、適切な収益を生む仕組みをつくります。スタッフを雇用し、仕事として責任をもって猫たちの世話ができる体制を整えたいのです」
青空の下でお食事中(画像:大日本動物愛護帝国さん)
収益によって人件費や医療費を賄い、たとえ自分がいなくなっても、次の世代が活動を引き継いでいける永続的な組織をつくることが帝国さんの究極の目標だ。
「動物のためなら何でもやる」という言葉通り、帝国さんは今日も現場に立ち、命を繋ぐために奔走している。