グリアUSTR代表、関税巡る合意「近い」と発言-今週さらに会合
- 関税の負担軽減を盛り込んだ第1段階の貿易合意発表に近づく-代表
- 今週に日本やガイアナ、サウジアラビア、フィリピンとの会合を予定
グリア米通商代表部(USTR)代表は4月30日、貿易相手国・地域に対する関税の負担軽減を盛り込んだ第1段階の貿易合意発表に近づいていると述べた。最新の経済データを受け、景気を巡る新たな懸念が浮上している。
グリア代表はFOXニュースとのインタビューで「合意が近いと言えるだろう」とし、「数カ月ではなく数週間以内に幾つかの初期の合意を発表することになるとわれわれは話している」と語った。
これより先に米商務省経済分析局(BEA)が発表した1-3月(第1四半期)の実質国内総生産(GDP)速報値は、2022年以来のマイナスとなった。関税発動前の輸入急増や政府支出削減が響いた。これに加え、ADPリサーチ・インスティテュートなどがまとめた4月の米民間雇用者数は、エコノミスト予想を下回った。
トランプ大統領と側近は貿易相手国・地域との交渉を迅速に進めると表明しており、多くの投資家が貿易交渉の進展を切望している。
トランプ氏が60超の貿易相手国・地域に対する上乗せ関税を90日間停止しているに間に新しい包括的な貿易協定が締結される可能性は低いものの、枠組みについて合意が発表されれば、さらなる期間延長や軽減措置に道を開き、インフレや供給不足への懸念を和らげる可能性がある。
グリア氏はインドとの交渉について、「最終段階に近い」わけではないと述べたが、同国の通商交渉トップと定期的に電話で連絡を取り合っているとした。また、韓国側との会合は「間近」で、協議は「正しい方向に進んでいる」と述べた。
5月1日には日本やガイアナ、サウジアラビアと会合を予定しており、2日にはフィリピン代表団と追加の会合を行う予定だと説明した。米政権とすぐに交渉を開始したアジアの貿易相手国・地域との合意が、最初に発表される可能性が高いと、他の政権当局者は示唆している。
一方、グリア氏はカナダ総選挙を受け続投が決まったカーニー首相について、「まじめな人物」と評し、USTRは貿易交渉に臨む準備ができていると語った。カーニー氏は近くトランプ大統領を訪れる見通しだ。
原題:Trump Trade Chief Says Deals ‘Close,’ More Meetings This Week(抜粋)