トランプ氏、米軍事行動は「まだ終わっていない」 イスラエルはレバノン空爆続ける
画像提供, Reuters
アメリカのドナルド・トランプ大統領は11日、イランでの戦争について、アメリカの軍事行動は「まだ終わっていない」と記者団に述べた。一方で、米メディアの取材では、「もうすぐ」終わると話した。イスラエル軍は同日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに対して新たな攻撃を開始したと発表した。一方、イランも攻撃を続けているとみられる。イスラエルやアラブ首長国連邦(UAE)、カタールなどが飛来したロケット弾やドローンに対処していると明らかにした。
トランプ氏はこの日、ホワイトハウスの外で記者団の質問に答えた。
イランでの戦争を終わらせるには何が必要かと問われると、「これまでと同じことの繰り返しだ」と返答。「そして、どんな結果になるかを見る」と述べた。
トランプ氏はまた、イランについて、「海軍を失った。空軍を失った。防空装置はまったくない。レーダーもない。指導者もいなくなった」と主張。「私たちは、もっと悪い状態にすることもできる」と述べた。
そして、アメリカはイランに対して「歴史上、どの国よりも厳しい打撃を与えた」としたうえで、「私たちはまだ終わっていない」と付け加えた。
トランプ氏はこれよりも先、米ニュースサイト・アクシオスの取材に対し、戦争は「もうすぐ」終結すると発言。「攻撃目標はほとんど何も残っていない」と述べた。
同サイトによると、トランプ氏は、「私が終わらせようと思えば、いつでも終わる」と話した。
トランプ氏はこの日夜には、ケンタッキー州の集会で演説。「私たちは勝利した」、「最初の1時間で決着がついた」と支持者らに向けて語った。
同氏はまた、アメリカが2日間でイラン船54隻を「撃沈」したと主張。直後に、58隻だと訂正した。BBCはこの新しい数字について、独自に正確性を確認できていない。
トランプ氏はさらに、今回の「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」作戦が「原油価格を大幅に引き下げる」とともに、世界への脅威を軽減すると主張。「私たちの軍は事実上イランを壊滅させた」と述べた。
一方、イスラエル軍は11日、レバノンの首都ベイルートへの攻撃を実施したと発表。「ベイルート・ダヒエ地区のヒズボラ施設に対する大規模な攻撃を開始した」と説明した。
ベイルートで取材するサマンサ・グランヴィル記者は、今回の戦争が始まってから最も大きな音が、夜の市内に響き渡っていると報告。上空には大きな煙が立ち上っているとした。また、ソーシャルメディアには、夜空がオレンジ色の光で照らされている様子の動画や写真が多数投稿されているとした。
イスラエル軍はこれに先立ち、ヒズボラがイスラエル国内の「いくつかの」地域に向けてロケット弾を発射したと発表していた。
イランでも攻撃が報告されている。同国のアッバス・アラグチ外相は、イランの「国家インフラが攻撃を受けている」とソーシャルメディア「X」に投稿。国内最古の銀行の支店が、「従業員でいっぱいの時に」爆撃されたとした。
外相は、「強力な」イラン軍がこの件で報復することになると書いた。
画像提供, Adri Salido/Getty Images
イランも米軍施設がある周辺諸国やイスラエルに対し、報復攻撃を続けているとみられる。
サウジアラビア国防省は、同国東部でドローン18機を迎撃・破壊したと発表した。
国営サウジ通信によると、過去数日間でドローンを何機か破壊している。どこから飛来したものか、サウジアラビアは見解を明らかにしていない。
UAEの主要都市ドバイの当局は、「ドバイ・クリーク・ハーバー付近の建物に落下したドローンに関連する事案」に対応中だとXで発表した。ドバイ・クリーク・ハーバーは、ドバイ国際空港から約8キロメートル離れた、ショッピングセンターや住居棟などが集まる区域。
ドバイ当局によると、ドローンは住居棟に落下し、火災を引き起こした。住民にけがはなかったという。どこから飛んで来たかは明らかにしていない。
カタール国防省は、イランから発射された弾道ミサイル9発とドローン数機の攻撃を受けたと発表した。
同省は、軍が「すべてのドローン」とミサイル8発の「迎撃に成功」したとXに投稿。ミサイル1発は住民のいない地域に落下したと述べた。
イスラエル外務省は、イランとヒズボラがイスラエル北部を標的に攻撃を実施しており、「住宅、道路、学校、家族に毎日ミサイルが降り注いでいる」と説明した。
こうしたなか、イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は11日、この戦争は必要な限り、目標がすべて達成されるまで「期限なく続く」と述べた。ロイター通信とイスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルが伝えた。
一方、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、「この戦争を終わらせる唯一の道」は「将来の侵略への反対」を国際的に確固として保証することだとXに投稿した。
こうしたなか、国連安全保障理事会では、イランに対して近隣国への攻撃停止を求める決議案を湾岸諸国などが提出。11日に採決があり、13カ国の賛成で採択された。
ロシアと中国は、紛争の根本原因がバランスよく記述されていないとして棄権した。決議案は、135カ国による共同提案だった。
決議は、アメリカとイスラエルによるイラン空爆については触れていない。イランへの攻撃については、国連事務総長も国連憲章違反だとしている。
安保理ではロシアも、すべての当事者に戦闘停止を促す内容の決議案を提出したが、採択に必要な票数を得られなかった。