「なぜ私だけ出禁なのか」 維新藤田氏、外国特派員協会で日本のフリー記者から追及受ける
日本維新の会の藤田文武共同代表が13日に日本外国特派員協会で行った記者会見。藤田氏の定例会見を「出禁処分」となったネットメディアの記者(フリー記者)が英語と日本語を交え、出禁の不当性を主張し、藤田氏を追及した。この記者は共産党機関紙「しんぶん赤旗日曜版」が報じた公金還流疑惑を巡り、その後、藤田氏にトラブルを指摘されていた。
「クエスチョン、プリーズ」
トラブルとは、赤旗が疑惑の関係者と指摘する藤田氏秘書の企業の登記先を兼ねた自宅マンション内を別のフリージャーナリストが撮影し、その動画をフリーの記者が自身のネットメディアで配信したというもの。藤田氏はマンション内の撮影を「犯罪行為」と問題視している。
この日の会見で、フリーの記者は英語で質問を開始した。時折言いよどみながらも2分が経過しようとすると、協会の司会者は「質問を」と促した。質問の前提部分が長く、具体的に何を聞きたいのか分からなかったとみられる。ただ、その後も「説明」は続く。司会者は「クエスチョン(質問)、プリーズ」と2度促すと英語での質問は終わった。
フリーの記者は「日本語でも説明します」と再び質問を開始。司会者は「説明いりません。質問だけ聞いて」とみたび促した。
「もう大丈夫ですから」
記者は追及の手を緩めない。
企業の具体名を挙げ「藤田氏の政治資金収支報告書に出てくる」などと話し始めた。藤田氏も「英語分かったので答えますよ」と述べ、司会者は「もう質問分かりましたから。もう大丈夫です。もうばっちり。もう十分」とフリーの記者を制そうとした。
記者は「日本語でも説明させてください。英語が分からない人もいると思う」と理由を説明し、その後も続く。
質問の主なポイントは、当該企業の仕事内容と維新との関係性、さらに自身が12日付で藤田氏に受けたという出禁処分の撤回。記者は問題視された動画について別のネットメディアでも配信されたといい、「なぜ私だけ出禁にするのか」と訴えた。
藤田氏は、当該企業への発注に関しては政治資金規正法に基づいて行っているとして適法性を主張した。
フリーの横田一氏の名前挙がる
「出禁」については「(フリーのジャーナリストに)オートロックの中に勝手に入られて、家のピンポンまで押され、防犯カメラの動画が残っている」と述べ、「警察対応になっている。それが落ち着かないことには、秘書も危険があるので、御社は出禁にさせてもらった」と説明した。「撮影した動画を面白おかしく取り上げられた」とも語った。
これに対し、フリーの記者は自身以外のネットメディアでも動画が配信されたと反論したが、藤田氏は「その(ネットメディアの)方は会見に来ていないと思う」と、わざわざ出禁にする必要がないとした。
するとフリーの記者は、藤田氏の会見に出席し、一部ネットで有名なフリーの横田一氏を挙げて「横田さんも一緒に(そのネットメディアへの出演を)やっている」と反論したが、藤田氏はもう多くは語らなかった。
「じゃあ次に」と伝えると、司会者は「OK」と述べ、次の記者にマイクが回り、約7分にわたるやりとりが終わった。(奥原慎平)