沖縄ボート転覆・死亡事故、代理店は東武トップツアーズ。ただし、抗議船への乗船は「担当外」(BUSINESS INSIDER JAPAN)
沖縄県名護市辺野古の沖合でボートが転覆し、船長と修学旅行で訪れていた同志社国際高校の女子生徒が亡くなった事故を巡り、東武トップツアーズ(東京都墨田区)は3月18日、同校の修学旅行を担当していたとBusiness Insider Japanの取材のなかで明らかにした。 【画像をみる】SNSで拡散された同校の旅程表、抗議船を運航していた団体の公式Webサイトの詳細(全3枚) 修学旅行に関する資料とみられる画像がSNSで複数拡散されており、その画像に同社のロゴが明記されていた。東武トップツアーズに取材したところ事実関係を認めた。ただ、社としての関与は「ホテルから港までの送迎」(同社広報)といい「そこから先はかかわっていない」とも回答した。
事故は3月16日、アメリカ軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設工事が進む沖合の現場付近で発生した。基地建設に抗議する市民団体「ヘリ基地反対協議会」が運航する漁船「不屈」「平和丸」に、研修旅行で訪れていた同志社国際高校の生徒18人が乗船しており、高波で乗組員3人を含む21人が海に投げ出された。 このうち、不屈の船長を務める金井創牧師(日本基督教団佐敷教会所属)と、女子生徒が死亡。同校は3月17日の会見で、救助された残り17人の生徒についても、16人が骨折や歯が抜けるなどの怪我を負ったと明らかにしている。 同校は東武トップツアーズを旅行代理店として3月14日から3月17日の旅程で沖縄を訪問中だった。この日はA〜Gの7コースの中から生徒が各自希望するコースに参加する予定となっていた。事故はFの「辺野古をボートに乗り海から見るコース」(計37人参加予定)で起きた。 抗議団体の船に乗船することについて同社広報は「広報レベルでは把握していなかった。現場レベルでは把握していた可能性や過去のケースも含め、社内調査中だ」と答えた。
取材に対し同社の広報担当は「弊社が担当したのはホテルから港の送迎まで。われわれが直接関与した中で発生した事故であれば補償の対象となるが、今回は担当外になる」と前置きした上で「現在、警察など関係機関が事故調査中となっているため、経過を見て事実に基づき保険会社と協議していきたい」と語った。 今回の事故の影響で、沖縄方面への修学旅行を控える学校からキャンセルや予定変更の要望が出る可能性がある。この点について同社は「現時点ではそのような状況には至っておらず、予定変更の相談や問い合わせもない」としつつ「今後、そのような問い合わせがあることは十分想定される。問い合わせや相談があった際は真摯に対応したい」とした。 会見の予定については「今のところ考えていないが、必要であれば検討する」と述べるにとどめた。 この事故では市民団体が「ボランティアだった」と語る一方、学校側が「各乗務員に5000円ずつ支払っていた」とするなど意見の食い違いがある他、人を乗船させて運行する場合に必要な事業者登録を運輸局にしていなかったことが分かっている。学校側も登録事業者であるかや保険加入の有無を把握していなかったことを会見で明らかにしている。 この事故を受けて、旅行業大手の日本旅行は「沖縄方面への研修旅行を控えた学校のうち、海でのアクティビティを実施する学校数や契約事業者の状況に関してとりまとめを始めた」と、取材のなかで明らかにした。同社広報は「集計結果を踏まえて今後の対応を検討したい」としている。 沖縄県が発表した調査結果(2025年12月)によると、2024年度に沖縄県を修学旅行先として訪問したのは2084校(前年度比7.8%増)、35万8521人(同5.7%増)だという。
樋口 隆充 / Takamitsu Higuchi